1:ひぃぃ ★:2025/04/05(土) 22:33:44.13 ID:VFTzGWA99.net ■この記事をまとめると ◇ラインアップにMTを用意していないメーカーが増えた ◇MTが減った理由にMTと親和性の高いクルマが減ったことがあげられる ◇各メーカーともMTの設定を見直すことで自動車業界を活性化する手段となる ■ひと昔前に比べてMTの選択肢が大幅に減っている ホンダシビックでは、6速MT(マニュアルトランスミッション)の人気が高い。2024年10月にシビックがマイナーチェンジを実施したときは、6速MTを搭載するRSの販売比率が受注総数の67%を占めた。 その一方でMTを用意しないメーカーも増えた。とくに注目されるのがスバルと三菱だ。かつてのスバルは、WRX STI、レガシィツーリングワゴン/B4などにMTを設定していた。三菱もランサーエボリューションシリーズ、コルトラリーアートバージョンRなどでMT車を選べた。 それなのにいまのスバルに用意されるMTは、OEMで取り扱う軽商用車などを除くとスポーツカーのBRZだけだ。三菱のMTは、OEMを除くと1車種もない。 MTはスバルと三菱以外でも減っている。たとえばマツダでは、以前はCX-3、CX-30、CX-5でも6速MTを選べたが、いまはこれらの車種がATのみになった。トヨタもカローラセダン/ツーリング/スポーツの現行型が登場したときには6速MTがあったが、いまはATのみだ。このようにMTを選べるメーカーでも、選択可能な車種が減っている。 なぜMTが激減したのか。この背景には複数の理由がある。まずはユーザーから見て、MTと親和性の高い車種が少なくなったことだ。 たとえば峠道をMTで走っているとき、カーブが迫るとヒール&トゥなどを使ってシフトダウンを行う。エンジン回転を適度に高めてカーブに入り、出口が見えたらアクセルペダルを踏み増す。エンジン回転が上昇しているから、力強く加速しながらカーブを抜けられる。MTはこのような運転のプロセスに組み込まれ、ドライバーにさらなる楽しさを与えるメカニズムに位置付けられる。 そうなるとMTで運転を楽しむには、重心を低く抑えるなど、車両そのものがスポーティな走りに適している必要がある。MTを採用する車種として、先ほど名前を挙げたシビックRSやスバルBRZ、マツダのロードスターやマツダ3などは、いずれも全高を1500mm以下に抑えて重心も低い。 ■親和性の高いモデルの減少によりMTの設定も減った 逆に以前はMTを設定したのにいまは廃止されたCX-3、CX-30、CX-5などは、いずれもSUVだから全高が1500mmを上まわる。低重心を生かして運転感覚を機敏に仕上げたクルマではない。MTとの親和性は高くない。 カローラセダン/ツーリング/スポーツは、いずれも全高が1500mm以下だが、前述のとおりMTを廃止した。車種の性格がシビックやマツダ3ほどスポーティではないからだ。販売店では「カローラセダンは、5ナンバー車のカローラアクシオでなくても法人のお客さまが多い」と述べており、6速MTとの親和性は低い。そこでいまはATに統一された。 ハイブリッドの増加もMTが減った理由だ。トヨタのTHS II、日産のe-POWER、ホンダのe:HEVなどは、いずれもドライバーがシフトレバーとクラッチペダルを操作するMTには機能が馴染まない。 しかも2024年には、小型/普通乗用車に占める電動車(ハイブリッド+プラグインハイブリッド+電気自動車+燃料電池車)の販売比率が64%に達した。日産ノートのようにハイブリッドしか選べない車種もある。したがって多くの車種にMTを採用できない。 1991年にAT限定の運転免許が創設され、これが定着したこともMTが減った理由だが、近年のAT限定の運転免許取得比率は70%少々だ。残りの30%弱はMTを運転できる。AT限定にしなかった理由として、トラックの運転など仕事上の都合も挙げられるが、それでもMTの運転は可能だ。いい換えれば、MTのニーズに対してスポーティで運転の楽しいMT車の供給量が大幅に減ったから、シビックRSに需要が集中してニュースになった。 スバルWRX S4のトランスミッションは、すべてCVT(無段変速AT)だが、今後は6速MTを用意すると喜ばれる。東京オートサロン2025にコンセプトモデルが出展されたダイハツミライースGRスポーツの5速MT仕様なども、発売すると人気車になる。 各メーカーともMTの設定を見直すべきだ。日本の自動車業界を活性化する手段のひとつになり得る。 2025年4月4日 10時0分 WEB CARTOP …