1: 七波羅探題 ★ 2025/02/17(月) 20:44:34.74 ID:fvAgJ24c9 既婚・未婚で幸福度は変わるのか、既婚女性の子どもの有無は生活満足度にどう影響するのか。幸福のヒントを専門家に聞いた。結婚すれば幸せか。結婚しているから幸せ、とは言いきれない。もともと幸せな人が結婚していることが、データからうかがえる。 既婚、未婚、男女別の幸福度を見ると、どの年代でも、既婚者の方が幸福度が高い。最も幸福度が高いのが既婚の女性もしくは男性で、次に未婚女性が続く。ダントツで低いのは未婚男性だ。 「既婚か未婚かで幸福度に大きな格差が生じていると思います。日本の社会全体が、結婚といった形式にこだわっている面があり、特に男性は高学歴、正規雇用でなければ結婚しにくいのです。結婚した場合、日本では家事分担が女性に偏りがちであることも、未婚男性と比較して既婚男性の幸福度を高めていると思います」(青山学院大学の亀坂安紀子教授) 未婚男性は50代で幸福度が顕著に低下するが、なぜか。 「老後の不安を抱えるからだと考えられます。50代になると、自分の子どもを持てない可能性が高まります。老後に妻に自分の面倒を見てもらうこともできず、子どもに世話をしてもらうこともできません」(亀坂教授) 子どもを持つことは幸せなイメージがある。だが、既婚女性で最も生活満足度が高いのは、子どものいない女性だ。むしろ子どもの数が多い既婚女性ほど、生活満足度が下がる。なぜ子どもを持つと、満足度が下がるのか。拓殖大学の佐藤一磨教授は言う。 「もちろん、子どもを持つことが不幸せなわけではありません。子どもを産み育てる肉体的精神的な負担が、男性よりも女性にかかる傾向にあります。産後に夫婦関係は悪化するという指摘もあります。教育費の負担も幸福度の低下につながっていると考えられています。子どものいる既婚女性の幸福度は変わりませんが、子どものいない既婚女性の幸福度は上昇しています。結婚したら必ず子どもを持つべきという社会的な価値観が変わったからだと考えます」 子どもを持つ人にフォーカスすると、意外なことがデータから見えてくる。亀坂教授が、専業主婦の母と共働きの母の幸福度を分析すると、専業主婦の母は末子を産んで3年間ほど高い幸福度を維持する。 「実は日本の結果は特殊です。旧西ドイツ地域では、産後すぐに幸福度が低下します。日本では女性がある程度の所得水準がある男性と結婚する傾向にあるので、そもそも余裕がある人だけが出産しているのではないかと考えられます」(亀坂教授) 幸せな人が結婚、出産している。幸福の経済学から何が見えるか。亀坂教授は言う。 「日本は『無理ゲー』社会です。まともに働いてもゲームをクリアできません。共働きでも女性が8割以上の家事負担をしている家庭も多いです。女性がキャリアを続けながら家庭も築いて子どもも育てることが無理に近いんです」 幸せのヒントは。 「脱出できる環境を作ることが大事です。いざというときにクリアできる条件を整えておけば生き残れると思います。私も病気がちだった子どもが入院するたびに、仕事を続けられないかもと思いましたが、大学教員ができなくなったら、公認会計士の資格を持っているから会計事務所でパートで働こうと思えたから、生き延びることができたと思います。これは無理ゲーかもと思ったら、他のゲームに切り替えたり、ゲームのやり直しができる社会を築くことが大事です」(亀坂教授) いざというときに頼れる先を用意したほうがいいことは、データにも表れている。 「内閣府の調査でも、困ったときに頼りになる人が5人以上いる人は将来の不安が少ないことがわかっています。所得が低くても、周りに支えてくれる人たちがいれば幸福度は高まります」(亀坂教授) 佐藤教授は、幸福度の解釈には注意が必要だと話す。 「幸福度は今の日本社会を反映する指標であり、いまの結果が幸せの条件ではありません。今は子どものいない既婚女性の方が、子どものいる既婚女性より幸福度が高いですが、社会が変われば、子どものいる既婚女性のほうが幸福度が高くなると思います」 幸せになるには三つの要素が必要だという。 「お金、健康、豊かな人間関係です。ハーバード大学の研究で、家族や友人と関係を築いていくことが幸福度の向上に効いてくることがわかっています。悩みを相談し、楽しい時間を過ごせますし、新たな情報を知ることもできます。人と会う習慣があれば身なりをきれいにして、健康を大切にする効果があるのではないかと言われています。人とのつながりを維持することが、人生に対する投資になっていきます」(佐藤教授) (編集部・井上有紀子) 2025/02/17/ 16:00 ※AERA 2025年2月17日号より抜粋 引用元: ・「既婚・未婚男女別の幸福度」ダントツで低いのは未婚男性 [七波羅探題★]…