1 名前:ごまカンパチ ★:2025/02/19(水) 00:36:20.60 ID:hGQ86TAQ9.net ロンドン在住のコピーライター、マットにも、その影響は静かに忍び寄ってきた。 彼は毎朝2杯のブラックコーヒーを飲む。それからカフェイン入りの「アルカセルツァーXS(頭痛・消化不良・胸焼けに効く米国製の発泡錠剤。XSの1錠あたりのカフェインを含有量は40mg)」 を水に溶かして飲むことを習慣としてきた。 さらに週3~4回のトレーニングの前にも、ジムでのパフォーマンスを高めるためにカフェイン入りのワークアウト用サプリメントを常用していた。 「今になって思えばクレイジーだけど、毎日800mg以上のカフェインを摂っていたんだ」とマット。 それは彼の日課であり、原動力であり、依存でもあった。 その影響は気づかぬうち彼の肉体を蝕(むしば)んでいた。 誕生日をホテルで過ごすことにした週末、マットは深い不安感に襲われたという。 「自分の皮膚が、ちょっと浮いているような感じというか…」と、彼はそのときの感覚を振り返る。 好天に恵まれた晩で、ホテルは快適なはずだった。しかし彼は落ち着かず、そわそわし続けていたと言う。 「新鮮な空気でも吸おうと思ってホテルの外に出た。そこで、左手が震えているのに気づいたんだ。初めての体験だった…。何かがおかしいと、すぐに思った」 カフェインが原因だと確信していたわけではない。しかし、カフェイン断ちを決意するのに十分な異変だった。 「ひどい禁断症状で、偏頭痛が1週間は続いた。意識の混濁もあったし、疲労感もひどかった」とマットは言う。 しかし、禁断症状を乗り越えた今では、気分はずっと良くなった。 「深く眠れるようになったし、不安感に襲われることもなくなった。コーヒーはまだ1~2杯は飲むけど、昼を過ぎたら一切飲まない。以前のような量にはもう戻りたくないね」 ※略 カフェインは、世界で最も広く使われている精神刺激薬である。 『意識をゆさぶる植物──アヘン・カフェイン・メスカリンの可能性』(亜紀書房)などを著作にもつジャーナリスト、マイケル・ポーランも書いている通り、 「程度の差はあるにせよ、カフェインの摂取は私たちの多くにとって、意識状態の支えとなっている」のだ。 ※略 成人にとって、1日あたりの安全なカフェイン摂取量の上限は400mgとされている(エスプレッソ1杯で50~120mg)。 その量を超えると、多くの人が震えや緊張、心臓の高鳴りを覚える可能性が高いという。 コーヒー5杯かそれ以上の量を飲むことで、パニックの発作が起きやすくなるという研究結果もある。 ※略 「カフェインによって、アデノシンとGABAという2種類の神経伝達物質の働きが阻害されてしまうからです。不安感を引き起こすだけでなく、睡眠の質も低下するでしょう」 就寝の6時間前に摂取したカフェインによって、睡眠時間が1時間削られてしまうことを示す研究もある。 つまり、午後4時にコーヒーを1杯飲んで午後10時に就寝した場合、体内に残るカフェインが睡眠に影響を及ぼすのだ。 「ブラックコーヒーを飲むことで食欲が低下する人もいれば、GI値(食品に含まれる糖質の吸収の度合いを示す数値)の高いオーツミルクと組み合わせることなどで、 血糖値が下がってしまう人もいます」とトロットマンは捕捉する。 血糖値が下がることで、でんぷん質のスナック類に手が伸び、体重増加につながることもあるという。 さらに別の問題として、カフェインの摂取によって疲労の問題に気づきにくくなってしまうという指摘もある。 特に濃いコーヒーを飲む習慣がある場合、職場での生産性が高まるかもしれないが、私生活では燃え尽きやすくなり、充足感は長続きしない。 ■「カフェイン断ち」で得られるもの デカフェのコーヒーに切り替えることで、自分の身体本来のエネルギーレベルを改めて確認し、疲労感をうやむやにすることなく毎日の適性な活動量を見直すと良いだろう。 また、正常な睡眠サイクルを取り戻すためにもカフェイン断ちは有効だ。 シェフとしてコンサルタント業を営むクリス・マケットは、カフェイン入りのコーヒーと清涼飲料水を数年前に断った。 「人生で最高の選択だった」とマケットは言う。 「ストレスが減り、見せかけのエネルギーに頼ることなく、自然な状態で毎日の生活を送ることができるようになった」と言い、さらに意思決定においても好影響があったと付け加える。 ※略 引用元:…