607 名前:長文スマソ[] 投稿日:01/10/16(火) 21:26 ID:g9KKqWcU高校卒業してすぐ就職し、ひとり暮らしをはじめた自分。うちはそんなに裕福じゃなかったから、これでもう両親に負担をかけることはないとホッとすると同時に何か大人になった気分だった。けれど都会での生活は高卒の給料ぐらいじゃまかなえるようなものではなく、食う物を減らし人付き合いも希薄になり、実家に連絡することも少なくなっていった。最近免許を取るため教習所に通い始めたが、生来の運動神経の鈍さからか規定時間は軽くオーバー、大丈夫と言われていた検定も落ちかなり沈んでいた。そんなとき実家から電話がかかってきた。母だった。久し振りに聞く母の声に気持ちがほぐれていくのが分かった。それでも心配かけまいと明るく振る舞っていたのだが母にそれが分からないわけがなく母「・・・お金、ないんやろ」 自分「・・・・・・」母「いくらいるんね」 自分「いいよ、大丈夫って」母「あんた、自分の親に甘えんでどうするんね」 自分「・・・・・・」母「じゃあとりあえず10万送るけんね。足りなくなったらまた連絡しなさい」数日後届いた封筒の中には諭吉10人と、走り書き程度のメモが1枚。「何も心配いらないから。焦らずにゆっくりやりなさい」自分が家を出たところで生活が楽になるわけでもなく、今も弁当屋で安い時給で働く母。「大学に行かせてやれる金がない」工房だった自分に泣きながら頭を下げた母。そんな母が自分の欲しい物買うの我慢して送ってくれたお金。手紙を握りしめてしばらく涙が止まらなかった。母さん、20歳も過ぎたのにまだまだ子供でごめんね。免許取ったら、前から行きたいって言いよった温泉連れて行くけん楽しみにしとってよ。…