1:蚤の市 ★:2023/11/24(金) 18:53:48.54 【英北部サンダーランド=湯前宗太郎】日産自動車は24日、英国での電気自動車(EV)化に、20億ポンド(約3700億円)を追加で投資すると発表した。北部サンダーランド工場で3車種の新型EVを生産するほか、同国で3拠点目となる巨大電池工場「ギガファクトリー」を建設する。9月には欧州の新車販売を2030年にすべてEVにすると表明するなど、EV化の動きを強めている。 21年に表明した10億ポンド(約1900億円)の投資とあわせ、累計で30億ポンド(約5600億円)をサンダーランド工場の体制強化にあてることになる。同工場ではEV「リーフ」のほか、多目的スポーツ車(SUV)の「ジューク」と「キャシュカイ」を生産している。それぞれの車種で今後、新型EVを生産する。 EVの基幹部材の車載電池の工場も新設する。現在英国では中国企業傘下のAESCグループと連携し、2拠点のギガファクトリーを持つ。今後のEV需要拡大に合わせ、3拠点目の工場を新設する。 今回の追加投資で生産するEVは英国のほか、欧州市場で販売する。24日、内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は、「EVはカーボンニュートラルを達成する我々の計画の中心だ」とコメントした。 日産は21年に「EV36Zero」と冠した英国のプロジェクトへ10億ポンドを投じる計画を発表した。内田氏は9月、欧州での新車販売をすべてEVにする方針について、従来計画で達成が可能との認識を示していた。将来の投資については「英国の競争優位性がある限りは(投資は)ありうる」としていた。 英政府は22日、25年以降に車産業の脱炭素化へ追加で20億ポンドの政府支援を投入することを発表。ハント財務相は日産などの名前を挙げ、計画が「温かく歓迎された」と述べていた。 1986年稼働と歴史が長いサンダーランド工場を抱える英国は、日産の欧州事業の中核だ。同工場の年間生産能力は42万5千~45万台と、日産が持つ世界の工場の中でも大きい。 23年に入って欧州連合(EU)や英政府で後退の動きがあったものの、依然として欧州のEV化を巡る車メーカーへの規制は厳しい。英政府はEVなどゼロエミッション車(ZEV)の販売比率を、メーカーに義務付ける新規制を24年から導入する予定だ。 日産は8日、仏ルノーとの間で資本関係の見直しを完了した。仏ルノーが設立したEV新会社、アンペアにも出資した。アンペアは今後、ルノーのEVに加え、日産向けにも小型車「マイクラ」(日本名マーチ)のEVを生産する。小型EVは価格競争が厳しい。ルノーと生産で連携する一方、SUVなどの中型EVは自社開発で棲み分けをはかる。 日産は主力の中国で販売縮小が続いている。供給網のある英国拠点での投資拡大で電動化が進む欧州で勝ち筋をつける狙いがある。 日本経済新聞 2023年11月24日 16:00…