日本で開かれた「モビリティショー」で存在感を示したのは、中国の自動車メーカー「BYD」。 各国メーカーがしのぎを削るEV=電気自動車の販売台数で、アメリカのテスラに次ぐ2位につけています。 一方、日本メーカーでは、ホンダが28位、トヨタが29位と海外勢に大きく水をあけられた形。 “自動車大国”日本は、なぜEVでここまで出遅れたのでしょうか。欧米でエンジン車からEVへの転換が進む要因となった、日本にはない“アメとムチ”とは? そして、「一発逆転のホームランになり得る」という日本メーカーの新技術とは?手作り解説でお伝えします。【サンデーモーニング】 今回の「ジャパン・モビリティショー」では、様々なEV(電気自動車)が展示されました。中国BYDは、4つの車輪それぞれに独立したモーターを付けた車を発表。タイヤが1つパンクしても走り続けることができるといいます。 EVの課題の一つは、1回の充電で走れる距離を伸ばすことですが、トヨタは、1000キロまで走れる車両を発表しました。 全世界でのEV販売台数ですが、調査会社マークラインズによれば、首位はアメリカのテスラ。次いで、中国のBYD、アメリカのGM、ドイツのフォルクスワーゲンと続きます。 日本勢は、7位のルノー・日産・三菱が最高で、ホンダやトヨタは20位台です。 日本のモノづくりの象徴だった自動車ですが、EVでは海外勢に大きく水をあけられた形。 なぜ欧米では、EVの普及が進んだのか。そこにあったのは、「アメ」と「ムチ」です。 例えばEUでは、大規模な購入支援やインフラ整備支援でEVを優遇。一方で、エンジン車については、「2035年に新車販売をすべて禁止」とするムチを発表。 一部緩和されたものの、規制の方向で議論が進んでいます。日本でも、現在はEVに一定の補助金がありますが、自動車評論家の国沢光宏さんは「日本は、欧米と比べて支援が手薄で、欧米のようなエンジン車の規制もない」と指摘します。 出遅れた日本に、巻き返しのチャンスはあるのでしょうか。…