1 名前:七波羅探題 ★:2025/08/10(日) 15:22:19.16 ID:D3NjMrVM9.net Forbes Japan.08.05 14:15 「働かないおじさん」(※)、職場での存在感の薄さから「妖精さん」など、いつの頃からかミドルシニア世代のビジネスパーソンは、不名誉な称号を授かるようになった。その理由は、「Windows2000」という呼び名に集約されている。社内では窓際族なのに、年功序列で年収が2000万円もあるから。思わず膝を打ってしまいそうになるが、当事者にとっては笑い事ではないだろう。 実際、ミドルシニア世代の仕事に対するモチベーションが低いことの一端がうかがえるデータが存在する。自らキャリアと組織の成長を切り開いていく人材を「プロアクティブ人材」といい、近年、人的資本経営の普及を背景に注目を集めている。プロアクティブ人材は先見性や未来志向、変革志向をもち、自律的に行動するという特徴をもつが、日本総研が2024年、企業に勤める20代から60代までの2万400人を対象にした調査では、プロアクティブ度合いを示すスコアが、40代、50代で最も低いことがわかったのだ。 ※ 組織で最低限の業務だけをこなし、求められる役割に対して成果や行動が伴っていない中高年層の社員のこと ■上の世代に従うも「恩恵享受できず」 なぜミドルシニアは、「働かないおじさん」化するのか。法政大学キャリアデザイン学部の教授で、5月末に『これからのキャリア開拓』(山口裕二、野澤友宏との共著)を上梓した田中研之輔氏は、その要因を「戦後、働き方の歴史的転換に直面した初めての世代だから」と指摘する。 現在のミドルシニアより上の世代では、企業や組織に自身のキャリアを預け、組織が敷いたレールに沿って定年を迎えることを美徳とする、終身雇用制のワーキングスタイルが一般的だった。田中氏はそれを「組織内キャリア」と呼ぶ。 一方で下の世代、ミレニアル世代やZ世代ではそれが大きく変わった。長期の景気低迷による企業や組織の変革、転職に対する社会的意識の変容もあり、企業にキャリアを預けるのではなく、主体的にキャリアを開拓する「自律型のキャリア」が当たり前になっている。学校でのキャリア教育も始まった。そうした世代間でのキャリア意識の違いは、現在のミドルシニアが就職氷河期世代と重なることにも起因しているという。 「今の40代?50代は、経済不況の影響をもろに受けてきた。同じ組織内キャリアを歩んできたものの、経済が上り調子で、社会に出てから順調に収入もウェルビーイングも向上していった上の世代とは異なり、それらを享受できていない。組織内キャリアの矛盾を、体感してしまったわけです」(田中) 就職氷河期には大卒者の就職率が大きく下がり、1999~2004年度には50%台まで落ち込んだ。今もその影響は、上りにくい年収や年金不安といった形でミドルシニアに付きまとう。ミドルシニアは、時代と世代の狭間で社会の変化に戸惑った結果、モチベーションを低下させているのだ。 田中氏は「学校から社会に出ていく転換期につまづいたのが、氷河期世代。その経験が大きなチャレンジはしない方がいいという意識を生んでいる」と話す。その表出の一つが、労働組合活動への向き合い方だ。上の世代は春闘での賃金交渉などを通して、より良い待遇や職場環境を求めて闘ってきた。しかし、現在のミドルシニア世代が労働人口の中心となった近年では、共闘ではなく、協調の活動が顕在化している。組織や人事の意向にどこか静かに対応し、波風を立てない、立てたくないという意識を見てとることもできる、と田中氏は分析する。 ■もう「組織内キャリア型」では逃げ切れない さらに、高齢化もミドルシニアの働くモチベーションを押し下げている。ミドルシニア世代はモーレツ世代の残り香が漂う中、残業も厭わず働いてきた。しかし、健康寿命が伸びたことで、経済的な事情などから定年後も働かざるをえない人が増加している。定年を意識し始める50代でも、多くの人が見据える必要があるのは悠々自適の引退生活ではなく、さらに10年、20年と働きつづける日々なのだ。 「今のままでいいのかというモヤモヤは、かつては若者のものでした。しかし近年では、ミドルシニアが将来を見据えたときに感じるようになり、さらに大きくなっています」(田中氏) ※以下出典先で 引用元:…