豊田章男会長率いるトヨタ自動車。巨大な系列システムの頂点に立ち、全ての利益を吸い上げる仕組みを構築した世界に冠たる自動車帝国は不滅に見える。 そのビジネスモデルは世界中の企業の研究対象となり、ビジネススクールでも頻繁に登場する。一世を風靡した「ジャスト・イン・タイム」、今もよく耳にする「カイゼン」などの言葉もトヨタを象徴するものとして人々の記憶に刻まれてきた。 今も世界の市場に年間1000万台を供給し、年間4兆円前後もの利益を叩き出す。国内でも、トヨタに逆らうものはいない。自民党はもちろん、旧民主党系の政治家もひれ伏し、連合もトヨタには異論を唱えることはできない。 大手メディアもその広告費に支配され、トヨタ批判は御法度である。そして、日本の自動車政策を司る経済産業省もいつの間にかトヨタの支配下に置かれるようになった。 このように、マスコミにも政界にも官界にも経済界にもトヨタ忖度が蔓延しているので、トヨタに関するネガティブな情報はほとんど聞こえてこない。むしろ、「トヨタはすごい」という「トヨタイムズ」の宣伝だけが真実であるかのように拡散され、人々を洗脳している。 私はこれを「トヨタ真理教」と呼んでいる。 しかし、一つだけトヨタが思い通りに動かすことができない世界がある。それは、マーケットである。…