
1:名無し :2025/08/04(月) 14:09:46.893ID:hgCxCA3z9 世にも奇妙な物語【反省会】 314 名無し 2023/11/12(日) 00:45:18.885 ID:0eYOgIJ9h すまん、漫画家崩れのワイのほうがよほど世にもっぽくて面白い話を作れるわ しかもお題縛りありでもこいつらに勝てる なんかお題くれ 318 名無し 2023/11/12(日) 00:45:45.805 ID:20azB9Nq1 >> 314 じゃあ地獄と冤罪を組み合わせてメッセージの強い話作って 451 名無し 2023/11/12(日) 01:51:14.518 ID:0eYOgIJ9h 「地獄と冤罪」 ─閻魔大王の前に一人の初老の男性、北村が立っている。 告げられた行き先は、地獄。罪状は、子殺し。 閻魔大王に「なぜ、そのようなことをしたのか」と問われた北村は、静かに"事件"について語り出す──。 1999年。北村40歳の夏。 北村とその妻は、"死刑制度廃止"活動に勤しんでいた。 人が行き交う街頭でメガホンから声が放たれる。 2:名無し :2025/08/04(月) 14:10:13.264ID:hgCxCA3z9 「人は、環境によって人格が形成されるのです!生まれつきの悪人など1人もいない!恵まれず、蔑まれ、心が黒く染まることで凶行へと走る!ならば、逆に愛を与えられればどんな人間でも優しくなれるのです!その機会を奪う死刑制度は、即刻廃止にせねばなりません!」 けれど、人の波は右から左へ、左から右へと流れるばかりで、誰も足を止めてくれない。 北村夫妻は得られなかった手応えに肩を落とし、家路につく。 一方でこの夫妻には、他にも憂う事情があった。結婚5年目だが、子宝に恵まれない。 不妊治療も受けているが、効果は得られない。 理想と現実のギャップは、常に夫妻を悩ませた。 3:名無し :2025/08/04(月) 14:10:35.549ID:hgCxCA3z9 ある晩、北村は不思議な夢を見た。 人の型をした黒いモヤは、「使者」と名乗り、北村に語りかける。 「あなたは本当に、人は環境で変われるとお思いですか?」 「もちろん、心からそう信じている」 「それを自らの手で証明する覚悟はありますか?」 「…?証明、とは?」 「ありますか?」 「…まあ、やれと言われればやれるが、そんなもの、どうやって…」 「あなた方に、子宝を授けましょう」 「え?」 「ただしそれは普通の子ではありません。前世で強盗殺人を犯し、死刑となった者の魂です。この赤ん坊を真人間として育てることができたなら、あなたの考えの証明となるでしょう」 「ふふ、面白い、やれるものならやりたいものだね」 黒いモヤは、その言葉を聞きスーッと消えていく。 目覚めた北村は、妙な夢を見たなと思いつつも、特に気にも留めず日常へと帰っていく。 4:名無し :2025/08/04(月) 14:10:51.986ID:hgCxCA3z9 数日後、北村の妻の妊娠が発覚する。 夫妻は歓喜に湧いたが、同時に北村は1人動揺していた。 「なんということだ、あの夢は本当だったのか…」 無事に生まれた赤ん坊、一輝と名付けられた男の子は、両親の愛情を目一杯に受け、すくすくと育った。 元気いっぱいで無垢な一輝を見ながら、北村は心に誓う。 (俺がこの子を必ず真人間にするんだ。魂なんて関係ない、大切なのは愛情なんだ) 5:名無し :2025/08/04(月) 14:11:12.347ID:hgCxCA3z9 ある日、3歳となった一輝が北村の元へ嬉しそうに駆け寄ってくる。 「パパー!見て!」 開かれた一輝の手の中には、蝶々の死骸が収まっていた。 「これね!閉じ込めてたら動かなくなったの!面白いでしょ!」 北村の脳裏には、"強盗殺人"がよぎる。 (…愛情を持って叱ってやれば、きっとこの子はわかってくれる) 北村は、一輝の手を払いのけ、真っ直ぐに目を合わせる。 「一輝、命っていうのは尊いものなんだ、それを奪うなんてとんでもないことなんだぞ」 父親を喜ばせようとしたにも係わらず予想外の反応をされた一輝は、目に涙を浮かべる。 「…だって…」 「泣くな!お前のために言ってるんだ!」 「うわ~ん!」 「ちゃんと聞きなさい!」 その様子を遠巻きに見つめていた北村妻は、後に北村に問いかける。 「あなた、少し一輝に厳しすぎない?」 「いや、いいんだ。躾は、厳しすぎるくらいでいい。それに、ただの恫喝じゃない。あの子のことを想って、愛情を持って叱っているんだ。あの子なら、きっとわかってくれる」 6:名無し :2025/08/04(月) 14:11:33.766ID:hgCxCA3z9 それからも一輝は、両親の愛情と、それに伴う叱咤を受けて育っていった。 8歳の頃には、クリアできないゲームに八つ当たりし、激しく怒られた。 11歳の頃には、学校の帰り道で買い食いをして、晩御飯が抜きになった。 14歳の頃には、夜遊びをし、何発も平手打ちを受けた。 そして16歳の頃から、両親への暴力が始まった。 「ジジイ、金」 そう言いながらクレジットカードを持ち出す一輝を必死に引き留めようとする北村は、すぐに突き飛ばされて壁に背中を打ち付けた。 育ち盛りの高校生に、初老となった北村では太刀打ちができなかった。 日に日に増してゆく一輝の暴力に北村は激しく頭を悩ませる。 「あれだけ愛情を持って接したのに、一体どうして…」 7:名無し :2025/08/04(月) 14:11:49.976ID:hgCxCA3z9 ある日、一輝が大きな布袋を自宅に持ち込んだ。 開けてみると、中には遺体となった男性が。 「金を取ろうとしたら、抵抗されて、やっちまったんだ。庭に埋めるから、手伝え」 北村は力なく座り込み、そして、敗北を認めた。 「人は、環境では変わらない。持って生まれた魂が全てなんだ…」 そう呟き、台所から包丁を持ち出し、一輝の背後へと近づいてゆく─。 ─「これが、私が子供を殺すに至った経緯です。」 それを聞いた閻魔大王は、口角を上げほくそ笑む。 「そうか、そうか。人は環境で変わる生き物か。そのことを確かめたかったのだ。あの赤子は前世で確かに死刑判決を受けたが、それは冤罪だったのだから」 14:名無し :2025/08/04(月) 14:13:32.485ID:O95pKS.VF 本当に面白い定期 18:名無し :2025/08/04(月) 14:14:49.983ID:c75ubGQNp 放送したのがホンマつまらんかったからしゃーない 23:名無し :2025/08/04(月) 14:16:36.668ID:Uq1Fti6Bb おもれーやん…