日本でも新聞や雑誌でおなじみのクロスワードパズル。ところが約100年前、アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは、このパズルに夢中になる人々を「罪深い浪費」とばっさり切り捨て、自分の紙面には載せようとしなかった。その同紙がようやく方針を変えたのは、第二次世界大戦のさなか。暗いニュースばかりが続く読者に、ひと息つける場所を用意するためだったという。 今日の知ってた? 🧩 1924年、ニューヨーク・タイムズはクロスワードの大流行を論説で批判し、パズルに熱中する人々は言葉探しに「罪深い浪費」をしていると書いた。 📰 そんな同紙がクロスワードを初めて載せたのは、アメリカが参戦したあとの1942年2月。戦況を伝える暗いニュースに疲れた読者の気晴らしになる、という判断だったとされる。 背景:クロスワードの誕生と1920年代の大ブーム 生まれは1913年のニューヨーク。最初のクロスワードとされるのは、1913年12月にニューヨーク・ワールド紙の日曜版に載った「ワード・クロス」というパズルだ。作ったのはイギリス生まれの記者アーサー・ウィンで、ひし形の枠に言葉を埋めていく形だった。呼び名はのちに前後が入れ替わり、「クロスワード」として定着していく。 1924年、全米が熱狂。各紙に少しずつ広まっていたクロスワードは、1924年に出版社サイモン&シュスターが創業第1作としてクロスワード集を出すと大ヒットし、一気に社会現象になった。その直前のアメリカでは麻雀も大流行しており、新しい娯楽に大人たちが次々と飛びつく時代だった。ニューヨーク・タイムズの論説は、まさにこのブームの真っただ中に書かれている。 もう少し詳しく 「罪深い時間の浪費」は後年の言い換え。この話は英語圏では、タイムズがクロスワードを「罪深い時間の浪費」と呼んだ、という形で広まっているが、コメント欄で1924年11月の元記事を読んだ人によると、その言い回しは原文には見当たらない。原文にあるのは「言葉探しに同じく罪深い浪費をしている」という一文で、のちにタイムズ自身が過去を振り返る記事の中で、それを「罪深い時間の浪費」と言い換えて紹介したらしい。 論説の中身は、なかなかの毒舌。コメント欄に引用された元記事は、ざっとこんな調子だ。「群衆心理を研究する心理学者たちに、新たな課題が持ち込まれた。クロスワードパズルへの熱狂、とはよく言ったものである。麻雀セットに法外な金を払わせたあの一時的な狂気からようやく立ち直ったかと思えば、ほぼ同じ人々が今度は、決められた枠に文字が収まる言葉を探すという、まったく無益な作業に同じく罪深い浪費をしている。これはゲームですらなく、スポーツとも呼べない」「得られるのは原始的な頭の体操くらいのものだ」。辞書を引くから語彙が増える、という愛好家の言い分にも「その場の目的のために引くだけで、語源も歴史も意味も学んではいない。わかるのはその単語が存在することだけだ」と手厳しい。 引き合いに出された「アンの年齢」問題。論説は最後に、何年か前に流行した算数の問題を持ち出し、その「正解」を得意げに新聞へ送りつけた大勢のアメリカ人と、クロスワードに使われている知性は同じ程度だと皮肉っている。問題はこうだ。「メアリーは24歳。メアリーの年齢は、メアリーが今のアンと同じ年だったときのアンの年齢の2倍である。アンは何歳か」。論説によれば、ちゃんと頭の働く中学2年生(アメリカの8年生)なら、30秒ほどで暗算できるはずの問題らしい。答えは記事の最後に載せておく。 方針転換は真珠湾攻撃の約2か月後。1941年12月の真珠湾攻撃でアメリカが第二次世界大戦に参戦すると、ニューヨーク・タイムズは1942年2月、日曜版でクロスワードの掲載を始めた。初代のパズル編集者に迎えられたのは、1924年のブームの火付け役となったクロスワード集の編者の一人、マーガレット・ファラーだった。平日も毎日載るようになったのは1950年からで、いまでは同紙のクロスワードは看板コンテンツの一つとして知られている。 海外の反応 1. 海外の名無しさん クロスワードで「罪深い」なら、この掲示板を見せたら何て書かれてたんだろうな。想像するだけで恐ろしい。 2. 海外の名無しさん(>>1への返信) どうせ最後は「物価高のしんどいニュースに疲れた読者の、いい気晴らしになる」とか書いて手のひらを返すんだよ。 3. 海外の名無しさん(>>2への返信) ちょっと聞きたいんだけど、1924年と比べて、生活水準って悪くなったと思う? それとも良くなったと思う? 4. 海外の名無しさん(>>3への返信) 世の中全体の話じゃなくて、ニューヨーク・タイムズの読者層に限った話なら、また答えが変わってきそうだけどな。 5. 海外の名無しさん(>>3への返信) 100年前より悪くなった場所なんて、どこにあるんだよ。アフガニスタンくらいじゃないか? 6. 海外の名無しさん(>>1への返信) 論説では「生煮えの考えが延々と入り組んだクロスワード」とかこき下ろしておいて、裏では毎日こっそり「私って悪いの?」系の人生相談スレを覗いてるんだよ、きっと。 7. 海外の名無しさん これだけはどうしても理解できない。どれだけ道徳にうるさいお堅い人だったとしても、神を冒涜する要素がひとつもない言葉のパズルを、どう取り違えたら「罪深い」になるんだ? 8. 海外の名無しさん(>>7への返信) 調べたら、クロスワードが世に出たのは1913年12月らしい。当時はまだ出てきたばかりの娯楽だったわけで、要は「新しいものは何でも悪い」ってやつだと思う。 9. 海外の名無しさん(>>7への返信) キリスト教の七つの大罪でいう「怠惰」の発想だろうね。いまでも子どもがネットばかり見てる、ゲームばかりしてるって文句を言う人がいるでしょ。全年齢向けの健全なゲームでもお構いなし。さらにさかのぼれば、映画にもテレビにも小説にも、同じ文句が言われてきた。 10. 海外の名無しさん(>>7への返信) くだらない時間の無駄だと思ってるから、それも怠惰の一種だって理屈なんだろう。あるいは、ゲームなんかに紙面を使うこと自体が罪なのかもな。その紙面はクロスワードをけなすくだらない論説のために取っておけ、ってことで。 11. 海外の名無しさん(>>7への返信) 「子どもは姿を見せても声は出すな」(大人の前ではおとなしく黙っていろ、という昔のしつけの言葉)で育った世代に何を期待するのさ。自分がつらい人生を送ってきたから、他人が楽しんでるのが気に食わない、不機嫌な連中がたくさんいたんだよ。 12. 海外の名無しさん(>>7への返信) それどころか、もっと昔にさかのぼると、読み書きそのものが体に悪いと考えられてた時代もあるんだよ。文字に頼ると記憶力が落ちるからって。 13. 海外の名無しさん(>>12への返信) それを言ったのはソクラテスだね。文字は人間の記憶力を損ない、頭を弱らせ、本物の知恵の代わりに「知ったつもり」を与えるだけだと考えていた。もっとも、ソクラテスが文字をどう思っていたか私たちが知っているのは、弟子のプラトンがそれを書き残してくれたおかげなんだけど。 14. 海外の名無しさん(>>13への返信) 今のAIへの反発も、そのうち「2020年代の世相」をAIがまとめた文章の、脚注の一行くらいに収まるんだろうな。 15. 海外の名無しさん(>>7への返信) 罪深いとまでは言わないけど……まあ、数独のほうが上なのは誰の目にも明らかだよね。 ※注:数独は、日本のパズル制作会社ニコリが名付けて広めた数字パズル。海外でも「Sudoku」の名でそのまま定着している。 16. 海外の名無しさん 元の投稿が挙げてた出典を読んでも、「罪深い時間の浪費」なんて言葉はどこにも見当たらなかった。一番近いのは「原始的な頭の体操」ってくだり。それで1924年の元記事を見つけたんだけど、これがなかなか見事な罵倒っぷりなんだよ。麻雀ブームの狂気から立ち直ったと思ったら今度はこれか、と嘆いたうえに、締めでは昔の「アンの年齢」って算数問題まで持ち出して大人たちを小バカにしてる。30秒で解けるらしいけど、解ける人いる? 17. 海外の名無しさん(>>16への返信) 別のソースでは「罪深い浪費」って引用に触れてたよ。ニューヨーク・タイムズ自身がクロスワード75周年のときに出した特集記事ね。ただ、その言葉が出てくる1924年の元記事は有料会員しか読めないみたい。 18. 海外の名無しさん(>>17への返信) その有料の元記事って、まさに自分が上で引用したやつだよ。どうやら後年のタイムズ自身が、元記事の「言葉探しというまったく無益な作業に同じく罪深い浪費をしている」って一文を、「罪深い時間の浪費」と言い換えて紹介したみたいだね。これでスッキリした。 19. 海外の名無しさん 戦争で疲れ切った読者に、クロスワードじゃなくて水着グラビアでも見せておけばよかったんだよ。世界平和の鍵はそこにあったのに、誰も思いつかなかった。 20. 海外の名無しさん(>>19への返信) いや、イギリス人はちゃんと思いついてたぞ。気になるなら「ページ3」で調べてみな。 ※注:「ページ3」は、イギリスの大衆紙ザ・サンが長年3面に女性モデルのトップレス写真を載せていた名物企画のこと。 21. 海外の名無しさん で、そのニューヨーク・タイムズが今や毎日のクロスワードのおかげで食いつないでるようなもんなんだから、皮肉な話だよね。100年前の論説委員が知ったら卒倒しそう。 まとめ 1924年、クロスワードの大流行を「罪深い浪費」と嘆いたニューヨーク・タイムズは、第二次世界大戦中の1942年に掲載へ踏み切り、いまではそれが看板の一つになっている。コメント欄では、ソクラテスの文字批判やゲーム批判と重ねて「新しい娯楽はいつの時代も叩かれる」と語る声が目立ち、有名な「罪深い時間の浪費」が実は後年の言い換えだったと原文を掘り当てる人も現れた。 ※「アンの年齢」問題の答え:18歳。6年前、メアリーは今のアンと同じ18歳で、そのときアンは12歳だった。24歳は12歳の2倍になる。 元ソース: 1924年、ニューヨーク・タイムズはクロスワードパズルを「罪深い時間の浪費」と呼んで掲載を拒んだ。折れたのは第二次世界大戦中で、暗い戦況のニュースに疲れた読者の気晴らしのためだったと知った The post 「得られるのは原始的な頭の体操くらい」1924年のニューヨーク・タイムズがクロスワードをこき下ろした論説…載せ始めたのは戦時中だった appeared first on みんな知ってた?【海外の反応】.…