1: 2025/07/26(土) 14:00:18.10 22日に合意した日米関税交渉の詳細が、複数の政府関係者への取材で判明した。自動車関税を巡り、トランプ米大統領は赤沢亮正経済再生担当相との会談で、20%までしか引き下げられないと主張。赤沢氏は米国への投資額や利益配分の積み増しなどで譲歩し、15%での合意にこぎつけたが、日本側が要求した「相互関税」の10%までの引き下げは通らないなど、トランプ氏に押し込まれる場面も目立った。 赤沢氏は会談で、トランプ米政権が検討中の医薬品や半導体分野への関税についても15%を主張したが、トランプ氏は難色を示し、最終的に「日本を他国に劣後する形で扱わない」との合意にとどまった。関税が発動された場合、関税率が最も低い国と日本は同じ扱いになるが、こうした分野別関税は国によって税率が変わるケースは少なく、成果と言えるか微妙だ。 最大の焦点だった25%の自動車への追加関税の引き下げに向け、「ディール(取引)」材料となった政府系金融機関が支援する日本企業による米国への投資額については、当初は赤沢氏は4000億ドル(約59兆円)を提案していた。日本側は5000億ドル(約74兆円)の引き上げまでなら許容範囲だったが、最終的には5500億ドル(約81兆円)への積み増しを余儀なくされた。出資による利益の配分についても、赤沢氏は日米が50%ずつ得る割合で提案していたが、関税率を下げるために、最終的に米国が90%を得る形となった。 また、8月1日以降に25%が適用される予定だった相互関税についてはトランプ氏は「15%までしか認められない」と譲らなかった。 自動車関税の引き下げを巡っては、赤沢氏が21日に対米投資に理解のあるラトニック米商務長官と約3時間にわたり会談を行う中で、既にほぼ固まっていたという。両氏は翌日のトランプ氏との会談で、どういったカードを切るか想定問答も確認。日本政府関係者は「あえて米側への投資額や利益配分は少ない数字で最初に提案した。トランプ氏の要求に応じて積み増すことで、トランプ氏が勝ち取った形にしないと納得しないからだ」と説明した。 投資案も、自動車や造船、エネルギー、半導体、重要鉱物など9分野で投資する計画については5月中旬に米側に伝え、6月時点でラトニック氏からは大筋で了承を得ていたという。 しかし、ラトニック氏を通じてトランプ氏を説得するのに難航した。最終的にトランプ氏がこだわっていた日本の農産物市場開放については、外国産米を無関税で輸入する既存の「ミニマムアクセス(MA)」制度の枠内で最大限拡大する案も追加で盛り込むなどして合意の見通しが立った。政府関係者は「トランプ氏を説得するのに時間がかかった。もっと早く合意できれば、(石破茂政権の成果となり)参院選で与党が過半数を取れたかもしれない」と語った。【古川宗】 毎日新聞 2025/7/25 18:50(最終更新 7/25 23:03)…