「何歳までトラックのハンドルを握れるか」―。ドライバーなら一度は考えたことがあるのではないだろうか。弊紙では、トラックドライバー情報サイト「ブルル」の協力を得て、ドライバー226人に、「何歳までトラックドライバーとして働けると考えるか」を問うアンケート調査を実施した。結果は「65歳まで」が50%で過半数を獲得。次いで「70歳まで」が29.6%、「75歳まで」が13.3%、「80歳以上」は7.1%にとどまった。 65歳を選んだドライバーからは、「65歳で住宅ローンが終わるから、それまで働かないと」「仕事内容にもよるが、自分が限界だと思うことがサインかも」「近距離でも長距離でもきついと思うので。個人差もあると思うが、歳を取ると判断力も鈍る」といった声が多く寄せられた。 なかには、「できれば60歳で降りたい。事故を起こしたり身体を壊すことなく、周りに迷惑かける前にきれいに辞めたい」「自分は60歳で引退しようかと思っている」「50歳までで辞めたい」と、60歳以下での引退を希望する声もあがった。 一方、「目標は75歳」とするドライバーは、「大型やフル稼働に限る必要はない。固定の地場に移行かつ週3程度の運行か、若い衆の積み込み補助の引き取り専門でも良い」と説明。「『会社にお茶を飲みに行って、ついでにお手伝い』くらいの感覚でもいいのでは。いま勤めている会社にはその選択肢がある」と付け加える。 ほかにも、「働けるだけ働くつもりでいるが、身体次第」「できても70まで…持つかな?」といった健康面での不安を口にするドライバーも見られた。 また、回答したドライバーに、「最高齢のドライバーの年齢」を聞くと、「89歳のバイトのお爺ちゃんは自分より元気。荷台に軽く飛び乗る」「うちの会社で歴代記録は77歳。いま現役で最高齢は75歳」「つい最近、67歳の新人が入社してきた」と、高齢ドライバーは珍しくない様子。 ただ、「同僚の80歳近いドライバーは迷惑でしかなかった。時速50キロ前後で走る車両の多い主要国道を30キロくらいでノロノロ走ったり、あり得ないような危険な場所で休憩していたり…」と危険性を危惧する声や、「以前の勤め先では、楽な配車が60代・70代のドライバーに偏っていたので辞めた」と、若手にしわ寄せがくるといった意見も寄せられた。 後者のドライバーは、「高齢だけじゃなく女性ドライバーがいても配車に偏りある。面接の時に平均年齢と女性ドライバー数は絶対に聞くようにしている」と自衛している様子だった。 あるドライバーは、「いまの職場では来年70歳になる先輩がいるが、元請けが70歳以上を勤務させない方針なので引退になる可能性が高い」と、本人のやる気いかんではなく、荷主や元請けの都合で引退するケースをあげる。「自分は仕事をしていないと人と関わりがなくなるので、いまの職場が雇ってくれるなら70歳まで働けるよう、適度に運動して断酒して努力している」と語った。…