
1: 煮卵 ★ rgNsTvZN9 2026-08-01 21:24:35 いつもの帰り道、桂川に架かる橋を歩いていると、街灯に照らされた歩道にサンダルとスマートフォンが置かれているのが見えた。近づくと、欄干の外側に人影。今にも川に落ちそうだった。「助けないと」。1人の通行人の行動が多くの人を巻き込み、若い命を救った。 通行人は京都市西京区の児童館職員、佐々木千佳さん(45)。5月16日午後9時半ごろ、仕事を終えて徒歩で帰路についていた佐々木さんは、右京区と西京区を結ぶ桂大橋の中央付近で異変に気付く。 歩道に置かれたサンダルとスマホ。欄干の向こう側に、川を背にして欄干をつかんでうずくまる人の姿があった。「大丈夫ですか」と声を掛けても返事はない。上下黒の服でフードをかぶっていて性別も分からなかった。 「助けなきゃ。でも1人では手が足りない」。周囲に歩行者はいなかった。職場で毎年受ける救急救命講習で「誰かいませんか」などと助けを求めると教わったのが頭に浮かんだ。 車道を行き交う車に必死に手を振ると、建設業の濱﨑眞治さん(42)と妻敦美さん(42)=南区=が車を止めて駆け寄ってくれた。濱﨑さん夫妻は佐々木さんと一緒に、女性の腕をつかんだ。 女性は飛び降りようとして足を投げ出し、支えがなければ落ちてしまう体勢になった。「落ちたらあかん!」。3人は声を掛けながら女性の体を支え続けた。 緊迫した状況に気付いた会社員の工藤宗太さん(45)=長岡京市=も車を止めて駆けつけた。工藤さんが女性の腰をつかむようにして歩道側に引き上げた。「力を入れて持ち上げたら、軽く感じた」といい、そこで初めて若い女性と分かったという。 女性は「死にたい」と再び身を乗り出そうとしたが、敦美さんが震える体を抱きしめ「大丈夫」「おばちゃんもつらいことあったで」と寄り添った。数分後、警察官が到着し、無事に引き渡した。この間、会社員城田康嗣さん(60)=西京区=が110番をするなど、4人以外にも多くの市民が協力した。右京署によると、女性は現在、家族のもとで暮らしているという。 同署で6月11日に感謝状の贈呈式があり、4人が出席した。橋口紀子署長は「皆さんの連携で若い命が守られた」とたたえた。 女性と同年代の長男がいる佐々木さんは「1人だったら躊躇(ちゅうちょ)していたと思う。温かい皆さんに助けられた」と振り返り、「その後どうなったのかずっと心配していた。警察から無事だと聞いて安心した」と涙を拭った。 [京都新聞] 2026/8/1(土) 16:30…