
1: 少考さん ★ swbg6ywR9 2026-06-14 18:31:51 ※ AERA DIGITAL 2026/06/14/ 16:00 作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は皇室典範改正ついて。 * * * はっきり言って、国からずっとモラハラを受けているような気分だ。皇位継承に関する議論は。 男系男子しか天皇にはなれない。女性はいっさい天皇になれない。旧宮家の男系男子を養子として迎え、その男性の妻が男子を産んだら、その男子は天皇になれる。とにかく男、男、男だけ、その椅子に座れるのは男だけ、という声の合唱。「伝統」という名を借りたむちゃな論を全方向から浴びているようで、率直に気分が悪い。だいたい国民の多くが愛子さまが天皇になることを望み、世論調査では女性天皇・女系天皇を多数が容認しているご時世ですのに。 2006年2月のことはよく覚えている。秋篠宮妃紀子さまの懐妊が報じられた月だ。当時、「女性天皇論」は前向きで現実的な議論だった。首相だった小泉純一郎さんこそが女性天皇に肯定的で、小泉さんの私的諮問機関であった「皇室典範に関する有識者会議」は男女かかわらず「長子優先」にすることを政府に求めていたのだ。将来は愛子さまが天皇になるのかも……というのは、国民からの希望でも期待でもなく、皇室存続のための現実的な答えだった。それが紀子さま懐妊のニュースを受け、急速にその声が静まった。 それから7カ月後の9月6日、紀子さま39歳での帝王切開でのご出産。それは歴代皇室で最高齢の出産で、歴代皇室初めての帝王切開出産だった。実質上、議論の終わりだった。実際、政府は男子である悠仁さまが生まれたその日に、女性天皇・女系天皇を認める皇室典範の改正を見送る方針を発表した。「見送る」とは言うが、実質上、議論の終わりだった。 それから悠仁さまが成人するまでの20年間、皇室の在り方や存続について、国民を巻き込むような真摯な議論が行われてきたとは言いがたい。「絶対に男が生まれる」という根拠のない信心以外に皇室が男系で持続できる根拠はないのに、いつかなんとかなると念力で保たれているような感じだ。そしていまだに「男子は生まれる!」という信じる力以外の根拠がないまま、今の国会で語られている皇室存続のあり方は、過去にないほど女性を排除する内容になってしまっている。 ふと思い出したが、なぜ女性天皇・女系天皇はダメなのか、という議論のときに、平沼赳夫・元経済産業相が「愛子さまが青い目の男性と恋に落ち、そのお子さまが天皇になられることは、断じてあってはならない」と言っていた。この世の中の理不尽な決まり事は、男性による女性をめぐる変な妄想が根拠になっていたりするものだと衝撃を受けたものだ。 それにしても不思議でならない。そもそも、今の皇室典範は明治時代につくられた「新しい決まり」である。皇室の歴史と比べたら、もう赤ちゃんのように新しい決まり事だ。そんな赤ちゃんのような明治政府に「天皇は男系の男子に限る」と規定されてしまったものを、なぜ今、見直せないのだろう。もちろんそれ以前に女性の天皇は何人もいた。女性天皇なんて数に入らない、女性天皇は単なる中継ぎだ、と女性天皇を矮小化する声も大きいけれど、だったらなおさら明治以降、女性に中継ぎすらさせず、敢えて「男系の男子に限る」と決めつけた合理的な理由はあるのだろうか? と、ごちゃごちゃ考えていると、「そもそも天皇制そのものが悪なのだから、どうでもいい!」と左翼な人は私を叱ってくれるのだが、ここもとても難しい。そもそも左翼的な思想の人は天皇制に反対なので「存続するための議論」に参加しない。女性に天皇になってほしいな、と思ったとしても「女性天皇を認めることで天皇制が存続してしまう」から、愛子さまに天皇になってほしい、というようなことを言うこともできない。「天皇制は諸悪の根源だ」と簡単には言えるが、今ある天皇制については議論がそもそもできないジレンマに陥ってしまう。で、結局議論しない。 そして天皇制をめぐる丁寧な議論ができない空気のなかで、2006年当時に官房長官だった故安倍晋三さんをはじめとする超保守的な自民党議員を中心に、皇室典範議論はどんどん狭められてきてしまった。本来ならば、国民が天皇制のあり方についての議論に参加し考えるような時間があったはずなのに。(略) ※全文はソースで…