「将来はネイリストになりたい」夢を語っていた少女、2ヶ月後には「もうなくなった。そんな先まで考えられない。明日ですら考えられない。」トー横を生きる少年少女達の現実。虐待を受けて中学卒業と同時に家出をしたという『トー横』で生きる16歳の少女。去年11月に取材をした際には「将来はネイリストになりたい」と夢を語っていた。しかし、それから2か月、彼女に再会して話を聞くと、その気持ちは「もうなくなった」と話した。彼女はその期間、何を思い、どう過ごしていたのか。 (中略)「ネイリストになりたい気持ちはなくなった。明日ですら考えられない」 夕方、少女は再びトー横に。 (記者)「今日はこの後どうするんですか?」 (少女)「この後は稼ぎに行く」 (記者)「稼ぎに行く…。それは昨日も言っていた通り、いわゆる案件というか」 (少女)「うん」 少女は頑なに私たちの説得を拒んだ。 (少女)「行かないとお金はない。だから自分は行く。誰が止めても自分はそれで稼ぐ」(中略) (記者)「本当にそれでいいと思っている?」 (少女)「うん」 (記者)「心の底から?」 (少女)「うん、自分は今はそれしか稼ぐ方法がないし」 (記者)「前に会った時に将来はネイリストになりたいと言っていたと思うんだけど、その辺の気持ちっていうのは?」 (少女)「もうなくなった。てか10年20年先までそんな考えられない。明日ですら考えられない。何があるかわからない状況で、今日をとりあえず頑張って生きているって状況だから」 そう言い残して少女は私たちの前から去って行った。私たちが目の当たりにしたのは、今、日本で起きている現実だ。…