136: 名無しバサー[] 2008/12/21(日) 05:50:52 幽霊なんて存在しないし、霊能者なんていってテレビに出てるやつは全部インチキだって思っている。 ただ、そんな俺にも一度だけ、思い出すのも恐ろしいほどの出来事があった。 小室ファミリーがまだ全盛で、街にトランスっぽいポップスが溢れていた十年ほど前の事である。 ある晩、どうにも寝付けなかった俺は、明け方近くになって近所の野池にバス釣りに行くことにした。 俺はその頃、免許を取り立てで、先輩から中古で買ったおんぼろスターレットに乗ってた。 家から野池までは車で5分ほどの距離である。 少し明るくなるのを待って家を出たつもりだったが、 林に囲まれたその池には、まだ十分に夜の気配が漂っていた。 昼間でも薄暗く不気味な池である。 どうにも釣りを始める気にならなかった俺は、車の中でもう少し空が白むのを待つことにした。 勿論、寂しさを紛らわせる為に、カーステレオのボリュームを充分にあげての待機である。 10分ほどは待っただろうか。しかし辺りはそれほど明るくはならなかった。 カーステレオからはたまのさよなら人類が流れ始めていた。 ~二酸化炭素を吐き出して~ 「あのこはもう、こきゅうをしていないよ」 たまの歌うフレーズにかぶせる様に、座席の後ろから、女が怒ったような声でそう囁くのが、 微かに、しかしはっきりと聞こえてきた。 全身の毛が逆立つような感覚というのはああいう感じなのだろう。 異様な寒気と冷や汗が俺を襲い、訳の分からない奇声を発しながら車を飛び出した俺は、 三百メートルほど離れた国道までダッシュし、近くのコンビニに飛び込んだ。…