
1: 樽悶 ★ 2026/03/24(火) 03:58:08 ID:qz1fnAc79 マスメディアからネットへとメディアシフトが加速し、政治にもネット世論が大きな影響を及ぼす時代になった。 その結果生じているのが「敵対的メディア認知」の急拡大だ。 敵対的メディア認知とは、自分の意見に反するメディアの報道は偏向していると思い込む心理的傾向(バイアス)のことだ。 JX通信社と選挙ドットコムが毎月行っている世論調査で「テレビや新聞が発信する情報は、おおむね信用できない」という意見に共感するか否かを有権者に聞いたところ、今年2月の調査では実に52%が「強くそう思う」もしくは「どちらかと言えばそう思う」と答えた。 この意見に共感する人は敵対的メディア認知の傾向を持っていると考えられるが、数年前はこうした意見に共感を示す有権者の割合はおおむね3割台から4割程度にとどまっていた。 それが今や5割を超えるまでに増えているわけだ。 背景には、SNSやYouTubeで発信力の強いインフルエンサーや政治家が好んでマスコミ報道を批判し、その言説が拡散されることが関係していそうだ。 実際に、調査結果をつぶさに分析すると、敵対的メディア認知の傾向が強い人は、政治や社会の情報源としてYouTubeやXなどのプラットホームを長時間利用する傾向がある。 必然的に、マスコミの報道よりも、それを日常的に強く批判しているインフルエンサーの言説に信頼を寄せるようになるのだろう。 今は誰もが発信者になる「1億総メディア時代」だ。 発信者が多様化したことで、既存のマスコミもかつてのように強大な発信力で世論形成を主導する存在ではなくなっている。 (省略) とはいえ、実際のところ、マスコミは組織的に「事実」の裏付けを取ったうえで報じる組織ジャーナリズムに立脚している。 その一点において、凡百のインフルエンサーより品質的にはるかにマシな情報サービスを提供していることに疑いの余地はない。 これに対しインフルエンサーたちがデマや誤報を発しても、多くは検証も訂正もされない。 だが、「事実」の有無よりも「意見」の近さを頼りに情報を消費しがちな視聴者は、こうした非対称性に関心を持たない。 結果として、理不尽なレベルで敵対的メディア認知が蔓延(まんえん)していくことになる。 最近はそうした心理的傾向をあえて利用することで、拡散や収益化を狙っているとおぼしきインフルエンサーの姿も見られるようになった。 「マスコミが報じないタブーを伝える」「報道されない真実を暴く」などと敵対的メディア認知を煽(あお)った揚げ句、安倍晋三元首相の銃撃事件やコロナウイルスのワクチン、財務省をめぐる陰謀論など、社会的関心事について根拠のない誤情報をまき散らす。 あるいは立場の異なる政治家の存在しない発言を創作して批判するなど「事実」の裏付けを徹底的に無視した発信が目立つのが特徴だ。 こうした発信の拡散を助長するのが、視聴者個人の意見に合う情報ばかりレコメンドするプラットホームのアルゴリズムである。 気づけば視聴者は巨大なエコーチェンバーに閉じ込められた群衆と化す。 群衆を率いるリーダーたるインフルエンサーが、立場の異なる他者やマスコミを口汚く攻撃すると、群衆もまたそれを上回る熱量で加勢する。 「犬笛」とは言い得て妙だ。 心理学者のスティーブン・ハッサンは、現代的なカルトに共通する支配の手法として「BITE」モデルを提唱している。 Behavior(行動)、Information(情報)、Thought(思考)、Emotional(感情)の4つをコントロールするのが現代的なカルトの特徴であるという。 特に情報を遮断し、感情面では「教団は善」「外部の批判者は悪」との価値観のもと、外からの批判を強く拒絶する点は特徴的だ。 この手法は、敵対的メディア認知と陰謀論の組み合わせで「集客」した人々をターゲットにビジネスを展開するインフルエンサーの言動と驚くほど似通っている。 デジタルな情報空間に巨大なエコーチェンバーを形成し、自然に情報を遮断する。 集った群衆を指揮し、時に批判者を攻撃する。 その様はまさに「デジタルカルト」と呼ぶべき存在だ。 人間は信じたいものを信じる「確証バイアス」に囚(とら)われた生き物である。 デジタルカルトの台頭も、人間心理とテクノロジーの相乗効果が生んだ構造的な問題ゆえ、大勢が彼らの群衆に加わっていく動きは止めきれない。 だが、自分がその群衆に加わらない回避努力はできる。 (以下ソース) 3/23(月) 12:20配信 【私の視点】メディア認識の歪みが「デジタルカルト」を生む(nippon.com) - Yahoo!ニュース米重 克洋 Yahoo!ニュース…