
1: 名無しさん 2025/12/27(土) 14:31:59.70 ID:ypkQqgWQ0 野球WBC「ネトフリ」独占放送、電通外しの衝撃、「ビッグイベントの放映権料はバブル」地上波テレビの苦悩…日本に重くのしかかる要因とは 来春に開催される野球の国別世界一決定戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」は、米動画配信大手のNetflix(ネットフリックス)が日本国内で独占配信し、地上波放送が消える異常事態となった。一方、来年6月に開幕するサッカーのW杯北中米3カ国大会は、DAZNの全試合生配信に加え、NHK、日本テレビ、フジテレビの地上波放送が決定。国民が注目するビッグイベントの視聴環境に大きな格差が生まれた。広告最大手の電通の元社員で、早大スポーツ科学学術院の大井義洋准教授(56)に放映権獲得の攻防や今後の展望について聞き、2回に分けて明暗の要因を探った。(占部哲也) 青天のへきれきだった。8月26日、ネットフリックスがWBC全47試合の独占配信を電撃発表した。前回大会はTBS、テレビ朝日系が地上波で中継。決勝の日本―米国は平均世帯視聴率42・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の高視聴率をたたき出した。しかし、来年の大会は「黒船」来襲によりテレビでの地上波放送はない。 一方、サッカーのW杯中継は大手広告代理店の電通が12月4日に放映権の取得を発表。DAZNが全104試合を配信し、日本戦を中心に3局が地上波で放送する。日本戦の無料視聴は継続された。サッカーと野球の差は何か。電通時代、スポーツビジネスの最前線で戦った経験のある大井准教授は解説する。 「まず電通が権利を買い、DAZNと地上波のテレビ各局に分けて権利を売っている。『競技普及のため無料で見られる環境を』という日本サッカー関係者の意向、各社の出せる金額をある程度まとめて、国際サッカー連盟(FIFA)と交渉する。スポーツの公共性も含め『地上波で見せないと駄目だ』とも強く主張もする。もう、そこは意地です。だから、地上波放送が実現できた。WBCの場合は主催のMLBなどとネットフリックスが電撃的に直接契約してしまった。まとめ役の代理店は介在しない。ネットフリックス側から見たら、地上波に権利を下ろすメリットはないですよね。交渉の余地は少ないのが現状です」 これまでの大きな国際大会は、日本の広告代理店が「売り手良し、買い手良し、世間良し」の「三方良し」を目指してきた。だが、WBCは「電通外し」により、地上波放送が絶望的となった。米国のメガ企業が150億円ともいわれる金額で電撃的に落札。W杯も当初は博報堂がFIFAとのテーブルについたが、300億円以上といわれる契約をまとめられず撤退。2002年W杯日韓大会からの経験と実績がある電通が、大会の半年前という直前のタイミングで地上波の“ゴール”を死守した。 そもそも、放映権料の高騰はなぜ止まらないのか。WBCでは前回大会から5倍、W杯は100億円以上の増額と推定されている。そして、国民的イベントで、とうとう地上波の防波堤は決壊した。大井准教授は「現状はバブル」だとしつつ、「チキンレース」だとも表現した。 「放送権とスポンサーでは市場が全く違う。例えば、トヨタ自動車やパナソニックなど日本企業が五輪のスポンサーから降りましたよね。でも、国際オリンピック委員会(IOC)から見たら日本企業が消えても中国、中東などの国からスポンサーは獲得できるので痛くない。FIFAもそう。でも、放映権は違う。日本市場で展開している企業からしかお金は出ない。『どこも出さない』となったらゼロになる。だから、スポンサーがゼロになるのとは意味が全然違う」 さらに、現状のスポーツ中継の収支は「真っ赤」とも話す。放映権料に加え解説、実況、中継機材など億単位の制作費もかさむ。記者が取材した24年のパリ五輪でも、あるテレビ局の職員は「赤字の垂れ流し。経営状況が悪化している中で肩身が狭い」と不安と不満を漏らすのを聞いた。…