319 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:42:39 ID:1n7rysPIO 浮気発覚して3年の贖罪生活で何とか許してもらった天罰って本当に存在する目には見えない何かに監視されていて悪行には天罰が下るようになってる私はそう確信した何であんなことをしちゃったんだろう、って今更言っても後の祭だけど何かのTV番組で女は精神的に追い詰められると反射的に自分に不都合な情報を脳内から消去して都合の良い物語に作り変えて信じ込む習性.があるってやってたけど、あれ本当見つかった瞬間不都合な情報が頭からスパッと消えたあれ?何で私はこんなに怒られなくちゃならないの?私今迄家庭の為に頑張ってきたのにってなる自己防衛本能が働く危ないそれでも辛うじて許していただけた理由は頭が真っ白になっても脳内を自分に好都合な物語が占拠しても言い訳せず、ただひたすら御免なさいで通した事に尽きると思うあそこで一言でも言い訳がましい事を言ったら即アウトだったと思う捨てられた後の自分の人生考えたらゾッとするアラフォーバツイチ女が人生再出発なんて無理だもの仮に可能だとしても今の自分の家庭以上のグレードのものを造りだすのは絶対無理浮気した私がこんなこと言うのは矛盾してるってこと十分承知してるけど、私にとって家族は最高傑作だからそれだけに自分自身に対する失望も大きかった 320 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:43:25 ID:1n7rysPIO でも私の場合自分に不都合な記憶を思い出すのに優に一年以上かかったそれまではいくら内観しても分からなかった、しんどかった私は夫を心から愛していたし、アラフォーながら一応夜の営みの方も週2回前後はあったしだから全然レスではなかったし、義務でこなしてるつもりも勿論なかった夫も子供もあんなに愛していたのに!って、そんな私が何で浮気なんかするの!って思った自分で過ち犯しておきながら馬鹿みたいだけど、本当にそう思ったんだいくら家族や両親から責められても自分自身のことながらさっぱり分からなかっただから再構築期間中、私は夫の無視に遭いながら必タヒに内観した自分が堕ちた理由を探し続けただってそれが分からない限りたとえ夫が許してくれたとしても同じ間違いを犯す可能性.があるから私は自分で自分が怖くなってたそれで一年以上かけてようやく自分を俯瞰で見れるようになってきたのそうして初めて私は自分の問題点に気づくことができてきたよ~くよく思い出してみると、過ちを犯す随分手前のところで心に綻びが出来ていたのだということを思い出してきた 321 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:43:59 ID:1n7rysPIO 私が不倫をしてしまった原因は仕事があまりにも順調にいきすぎたという事、それに尽きる勿論そんなの何の言い訳にもなりはしないけど特定されると困るから焦点ボカすけど、私は某メーカーに入社し、そこの技術開発部に所属していたそこでの仕事ぶりはまあ身贔屓入れても中の上ぐらいなものだったんじゃないかな可もなく不可もなく日々こなしてるって感じ、向いてるけど達成感みたいなものはなかったと思うで、私は入社三年目くらいから営業部に自社が開発している新製品の機能説明をする担当になったうちの製品は他社に比べてこれこれこういう部分が優れていて、他所は何処が劣っているとか逆に自社は他所に比べて何処が劣っているのかもきちんと説明したそれで劣っている部分はこういう風にフォローしていったら良いとか、私なりに営業の視点に立った戦略を練って説明をしたその仕事ぶりを当時の営業課長、つまり私が浮気してしまった相手に認められて営業部に配置転換されたわけ「君の説明は凄く分かりやすいからきっと営業の方が向いてるよ」って勧誘されて技術開発に未練がなかったわけじゃないけど、そこは完全に男社会だったし、やっぱり仕事ぶりが認められるっていうのは嬉しかったし、結局私は営業部転属の話を引き受けることにした 322 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:44:35 ID:1n7rysPIO 課長の言う通り私は営業部の水が合ってたらしく2年目で先輩の4倍近く売り上げるようになっていた技術畑にいたというのが凄く強みになっていたと思う自社製品を売り込みに行ったら他社のマシンがトラブル起こしていて、私が直してみせて大きな仕事を貰えた事もあった当時の私の年俸は二十代にして既に700万近くになっていた「ほらね?俺の見立て通り向いてたろ?」って課長に言われ「はい、ありがとうございます!」みたいな感じで私は彼の秘蔵っ子みたいな感じで重宝して特別に育ててもらっていたと思う売り上げを伸ばして自信がつくと自社の粗も目立つようになるそれでカタログやパンフレットやらにも口出すようになって、じゃ、君が好きに編集していいよって言われて、うちの会社に出入りしてる印刷屋さんにデザイナーを紹介してもらったのそれが私の未来の夫だったこれがもう完全に私のドストライクにタイプの人で、当時彼は他に好きな人がいて相手も彼に好意を持ってたらしんだけど、私が強引に割り込んで自分を売り込んで、つきあって~つきあって~って猛烈アタック公私混同もいいとこだけど毎日夜更けまで携帯かけまくった正直私がこんな肉食系だとは思いもよらかった、新たな自分を発見した思いだった 323 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:45:01 ID:1n7rysPIO でも課長はそれが凄く面白くなかったらしいせっかく育てた営業部の逸材をみすみす印刷屋下請けのデザイナーごときに渡せるかっていうんで、未来の夫の出入りを止めさせようと裏工作しようとしたので、それに私が気づいて烈火のごとく怒ったもんだから渋々課長は折れて容認した結局課長が危惧した通り、私は彼と結婚してすぐ子供ができて職場を離れてしまっただって大好きなんだもん私が職場を離れても課長は毎年私に暑中見舞いと年賀状を出してくれて、必ず最後に職場復帰する際はご連絡下さいと書き添えられていたここまで読んで課長が私に気があったんじゃないの?って思う人が居るかもしれないけど、そうかもしれないけど、私はそうは受け取らなかった何故なら私の営業成績は課長をそうさせるに十分なものだったから多分その時は純粋な気持ちでそう書いてくれていたんだと思っている 324 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:45:27 ID:1n7rysPIO でも結局私は三人の子供を生んで、育児生活に追われて職場復帰どころではなく、十余年の月日が流れてしまっていたその間に課長は部長に昇進していたで、上の子が小6になって始めて三人の子を進学させるのに我が家はかなりお金が足りないという事に気づいたわけ幸か不幸かうちの子は三人共勉強がかなり出来る間違いなく大学まで進学するだろうことは容易に予想できたので、さあこれは困ったぞと夫も「僕の給料がもっと高ければいいんだけど、ごめん」って頭を下げられた「大丈夫、心配しないで、私も働くから」って十余年が過ぎてはじめて私は毎年書き添えられていた職場復帰の言葉をリアルに考えるようになった夫に相談し、私は部長(課長)に電話した「お茶くみで良いので雇ってください」ってこんなおばさんにお茶くみもないけど、とにかく何か仕事くださいって頼んでみた部長は「ようやく決心してくれたんだね」って雇用担当に頼んでくれて、私はすぐに採用された十何年ぶりかに出社してみると営業部の面子もかなり変わっていて課長も部長に昇進していたし、同期のぺーぺー君が係長や課長になっていた「やー全然変わっちゃいましたね、私ついていけるかな」って部長に言ったら「君は才能あるから直ぐに追いつけるさ」って励ましてもらって「や~あなたが伝説の」とか「お噂はかねがね」とか若い子達に持ち上げられて「部長いったいどんな紹介したんですか」って私が言ったら「俺は事実しか言ってないよ」ってまぁ、そんなこんなで私は再び元の会社に復帰したわけだ私はしばらく部長付きの秘書兼営業という事で行動を共にする事になった 325 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:45:51 ID:1n7rysPIO 手前味噌で恐縮だけど、やはり私には営業の才能があるようで、成績はみるみる若い子のそれを追い抜いていった「噂通りですね」って言われて素直に嬉しかった技術開発に居た影響で多少の機能的不満はプログラム書き換えさせて臨機応変に対応できたのも強みだった技術開発時代の同僚も偉くなってたし色々助けてもらった夫の存在も大きいそこそこ大きい会社だから当然トラブルもあった私が落ち込んでも、君には四人の強力なサポーターがいることを忘れないでって言って慰めてくれた会社を辞めても帰れる家があるんだよってその言葉で開き直れた私は部長と一緒に次々難敵を陥落させていって、三年目には圧倒的な売り上げを評価され社長賞を頂いた私の年俸はあっさり夫を超えていった来年から部長は常務、私は二段跳びで次長との内示がきた、嬉しかった当時の夫の年俸は350万弱年齢的に考えるとけして高いほうではないでも私は彼を軽んじてなどいなかったし、年俸が再び高くなっても彼への愛は不変だった思っていた三人の子供も思いやりのある子に育ってくれて私は大好きだった私自身も愛されていたでも私は家族の信頼をあっさり裏切ってしまった1年余の月日を経て、じわじわと蘇ってくる記憶を頼りに考えてみると、その頃既に私の心の中に綻びがあちこち出来ていたように思ういや思う、ではなく、出来ていたんだ、うん二人で成果を挙げだした時のことを改めて思い出してみると語彙不足な私は上手く表現できないけれど、そこに恍惚とした甘い何かを私は感じていた多分部長もそれは感じていたと思うそれを達成感と一言で片付ける事もできるけど、違うね、私の本心が違うと言ってるそれに行動を共にすると、お互い波長を合わせようとするからそこに阿吽の呼吸みたいなものが出きてくるそれは仕事においては良いことなのだけれど、男女の関係においては微妙な危険をはらむものだたとえば冗談の言い合いとかでも絶妙なタイミングで切り返せるようになる「まるで夫婦みたいですね」と同僚にからかわれたりした「だって家のかみさんよりも一緒に居る時間が長いもんな」って部長に言われてその言葉を聞いて確かに私はまんざらでもない気分になっていたんだ思い出すと凄く胸が痛むけどそれが事実なのこれはもう潜在的な不貞行為だったと思う 326 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:46:13 ID:1n7rysPIO それに二人で一緒に行動してるからって社食でいつも向かい合わせに昼食とっていたのもマズかった危機管理がきちんとしている人ならお弁当にするとかして何とか上手く回避するはず私はそれをせず「たまには外に蕎麦でも食いにいくか」と誘われると、それすら断りもせずそそくさと部長と行動を共にした完全に緩んでいたそして私は決定的な過ちを犯してしまう思い出すと心臓がギュッと締め付けられる凄く苦しい私と部長は2年越しで超大型顧客獲得に奔走していたそこは仕入れ担当と競合他社が鉄板の関係を結んでいて実質上落城は不可能だと社員の誰もが思っていたしかし落とせば約百億の大きな仕事、やり甲斐はある競合他社は仕入れ担当にいわゆる袖の下を使っていたまあそれくらいの仕事になると我が社もそういう手を使うから人のことをとやかくは言えないけどその仕入れ担当は年間2~3千万くらいのバックマージンを貰っているという噂もあったそれどころか何処かの美人コンパニオンを営業担当に雇い、枕営業させていたという話もある正面から当たっても落城は不可能だと判断した私達は、つてを使って仕入れ担当の上司に取り入った別の会社の交合で偶然を装って接近し、ゴルフ接待にもっていった部長はそういう方向に持っていくのが絶妙に上手い私も下手糞ながらに同行した帰りに飲ませてタクシー代といって必ず十万渡した当然特別営業費で落としたけどそれでようやく小さな仕事は貰えるようになった汚いと思われるかもしれないけど、この国にはいまだにそういう風習が残っている 327 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:46:52 ID:1n7rysPIO 私達は遠まわしに御社の仕入れ担当が数千万円のバックマージンを貰っていると担当上司に吹き込んだ競合他社が他所に降ろしている価格を調べて教え、御社はこの価格で仕入れているはずだから差額がこれだけある、残りは何処に行っちゃったんでしょうかね?みたいな事を言ったら「あいつそんなに抜いてやがったのか!」ってさすがに怒ってたそういえばポルシェを買ったとか言ってたとか何とかえらく憤っていた結局、仕入れ担当が二ヶ月の短期出張に言ってる間にそれを告発し、仕入れ担当は出張先で戻れぬ身となった私達がそれを知ったのは部長と外回りをしている最中だった午後4時くらいで会社に戻る途中だったと記憶してる部長の携帯に連絡が入って「お宅の製品を入れるようになったから、よろしく」と言ってきたらしい「やった~~~!!」って、二人で人前もはばからず万歳三唱しただって百億の仕事だ、今までの仕事とは桁が違う「やった~!」って言いながら万歳した手で部長とハイタッチそして「よかったね~」と言いながらお互いハグし合ったこの時は3年以上経った今でも厭らしい気持ちはなかったと思っているしかしハグはやりすぎだった、猛省しなければならないとにかくその時周りの人が私達を奇異の目で見てたのだけは覚えてる「飲みに行こう!」って部長が言って「はいお供します!」って私は応えた今まで二人っきりで飲みに行ったことは一度もない、さすがにそれはない同じ部署の仲間と一緒に飲むことはたまにあるけど、それも駅前の立ち飲み焼き鳥屋だでも今日は特別、だって百億の仕事とったんだから上司と二人っきりで飲んでも許してくれるはずってこの時私は考えてたほろ酔い加減で帰って、夫に抱きついて、今日の快挙を褒めてもらおうと思ってた甘かった 328 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:47:29 ID:1n7rysPIO 「今日はちょっとお高いところに行きますか!」って部長が言って「いいですね~」って私は高揚した気分で応えた高級割烹料理屋に行ったそれぞれ個室に分かれていて掘りごたつ状になってるところだったそこでお高い酒を飲みながら二人で我が社の行く末について熱く語り合った「これからは商品を売るだけじゃ駄目だ、文化を作っていかないと」「文化ですか」「たとえばソニーがウォークマンを作ったときの様に、商品がそのまま文化になっていくものを作っていかないと結局決まったパイの奪い合いになるだけだ」「分かります、今の日本にはかつての文化を発信するパワーを失ってますよね」「そうそう機能性.ばかり重視して、オタクにおもねた商品ばかり作ってる」とか「少子化を何とかしないとどうにもならんよ、うちは自発的に女性.の社会復帰を促進させるべきだ」「政府がとか誰かのせいにしてる場合じゃないですよね」とかそんな上から目線の話をしながら、だから私達の会社をああしようとかこういう風にしていくべきだとか延々と語り合った。お酒の力もあって、まるで天下を取ったような恍惚とした心地よい時間だったしかしそのお店は人気店だったので三時間でお開きああ、このまま帰りたくないなって私は思ったこの心地いい時間をもっと共有していたいって私は思った店を出て涼風を浴びながら部長は自分の腕時計を確認したまだ帰りたくない私は次の店へ行こうという誘いの言葉を待っていた「まだちょっと早いな」部長が言った私は凄く嬉しかった「カラオケでも行こうか」「良いですね!パ~っと歌っちゃいましょう!」部長がタクシーに手を挙げた最寄のカラオケルームのあるビルの前に着けてもらったそこは五階建てのビルだった五階全部カラオケルームで占められていた私達は受付をすませ、部屋の中に入った私達はそこでもお酒を飲んだハイな気持ちをキープしたいと思っただからピッチも早かった最初はお互いに十八番を選曲した次に子供がいつも歌ってる最近の人気曲を披露し合った子供が小さい頃の曲を歌ってお互い爆笑した嫌でも覚えちゃうよねぇとか言ってはしゃいだ 329 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:48:11 ID:1n7rysPIO 部長がページをめくりながら「デュエットしちゃう?」と言った私は「いいですよ」と答えた本当は少し躊躇したけど、そこまで意識することでもないかと思い直した私達はデュエットソングを並んで歌い始めた最初はお互い遠慮しながら歌っていたけど、歌ってるうちに盛り上がってきた気付いたら部長が私の肩を抱いていた私達は途中でマイクを一つにして自分のパートを交互に歌いだした何曲もそうやって歌っているうちにエ□い気持ちになったそして彼は次の曲がかかる前にさりげなく背後に廻った何だかドキドキした曲がかかりだした歌ってる途中で彼は私の腰にそっと手を添え、ゆっくり体を密着させてきた彼の硬直したものを感じたドキッとした気づかない振りしてそのまま歌い続けた徐々に部長の指先に力が入った露骨な求愛行為に笑って誤魔化したでも本当は濡れた今日だけだから一線を超えた訳ではないから明日から元の生活に戻れば良い事だからこれぐらいは大丈夫今日は特別これぐらいは百億の仕事を取った私達の成功報酬として許される範囲よねって頑張った者同志のエールの交換みたいなものだってほろ酔い加減の私は恍惚とした意識の中で、そんな馬鹿げた事を思ってた私達は暫く求愛行為を続けた 330 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:48:45 ID:1n7rysPIO これはすべて飛んでた記憶だ思いだすたびに私は頭を抱える苦しすぎて悶絶する今でも仕事場で急に頭を抱えて心配をかける事があるそして決定的な過ちを犯す瞬間が来た私は酔った手つきで選曲用のリモコンの操作がおぼつかず、部長が私の横に座って手伝ってくれようとした「どれどれ」って言いながら彼の顔が私の横に迫ったドキドキしたソファーにつく私の指先に彼の指先が偶然触った私はそれを分かっていて避けなかった彼のゴツゴツした指先が私の指先に徐々に重なっていった完全に手と手が重なって、彼は指をギュッ結んだ私もギュッと結び返した彼が私の肩を抱き寄せ、唇を重ねたタバコの臭いがした彼の舌が私の口の中に入ってきた私も彼の口の中に舌を入れた彼の舌が私の舌に絡まった私も彼の舌に自分の舌を絡めた外から誰かが歌ってる声が筒抜けに聞こえてきた彼の指が私の胸を弄りはじめた私は声を漏らしたもう一方の彼の手か私の手首を掴んだ私の手を硬直した部分にそっと置いた「今日だけ、な、いいだろ?」切羽詰った声で彼は言った私はチラッとドアの小窓を見た光の反射で外が見えなかった「もう、奥さんにしてもらいなさいよ」「すまない、どうにも収まりがつかない」私は指先にギュッと力を込めた指先に彼の形か伝わってきた夫以外の形に異常な興奮を覚えた私達はまた唇を重ねたま、出してあげるくらいなら良いかな明日になれば元の二人、何くわぬ顔で日常に戻れば誰も傷つかないそんな軽い乗りだった最低な女だった最低な私はキスに没頭した夢中になって彼の背中にもう片方の腕を絡めた 331 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:49:13 ID:1n7rysPIO ドンドンドン!ドンドンドン!入り口のドアが激しく鳴った私達は慌てて体を離した「店員だな、防犯ビデオで見られたか」「やだ、口紅着いちゃってるわよ」私達はお互いに肩をすくめペロッと舌を出した場所を代えたい、私は思ったきっと彼もそう思っていたはず彼が席を立ち、入り口のドアを開けた「お母さん…」制服姿の青ざめた長女がそこに立っていた浮かれた私が地獄の底に落ちた瞬間だ最悪な事に長女の後ろには保育園時代からの仲良しのR菜ちゃんが虚ろな目をして立っていたあ~筆舌に尽くしがたい、書いていて自分のことながらに戦慄が走る「お母さん?」怪訝そうに彼が私を振り返ったああ、これが偶然であろうはずがない私はそれまで神仏について深く考えた事はないけど、この時ハッキリ神の存在を確信しただって、たまたま私達はここへカラオケに来て、たまたまここの五階の部屋を取って、長女が塾の帰りに最寄のカラオケルームに行ったら満室で3駅先のここに来て、同じ五階の部屋なんて、そんな偶然があるはずないもの私を信頼しきった夫や長男次女の映像が私の脳裏で粉々に砕け散った 332 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:49:38 ID:1n7rysPIO 「M和…」私は蚊の鳴くような声で長女の名を言うことしかできなかった「お、お母さん何してるの?ここで…」「ひょっとしてこの子は君の…」「長女です」「長女ですじゃないよ!この人と何してるの?答えてよ!ねぇお母さん!」詰め寄る長女が私の肩をつかみ前後に強く揺らした「ごめんなさい…」だって、それしか言えない「きみ…」事態を察した部長が止めに入った長女はその手を振り払い「お母さん!みんなお母さんの事を大好きなんだよ?S美だってお兄ちゃんだって、みんなお母さんが大好きなんだよ?どうしてこんな事をしてるのよ!ねえお母さん!お父さんにこれどう説明するの?何か言ってよ、ねえってば!」「ごめんなさい、ごめんなさい」「き、キミちょっと…」「あなた誰なんですか!?会社の方ですか!?」気丈な長女が部長に詰め寄った「私は…」「名刺見せてください!」部長は名刺入れから長女に名刺を手渡したきっと彼の薬指のリングを確認したのだろう長女は「あなたも家族持ちなんじゃない!最低!」と言って彼の頬を叩いた「すまない、こんなつもりじゃなかったんだ」「どういうつもりだったんですか!」「酒を飲んでて少し自分を見失ってしまったようだ、本当にすまない」「ねえお母さんこの人こんな事言ってるよ!お母さんはお酒を飲むとそういう事を平気で出来ちゃう人なの?今まで私達が信頼してきたお母さんはそんな人だったの!?ねえお母さん!」「ごめんねM和…ごめん」ぐうの音も出ないとはこの事だ、自分で穴を掘って生き埋めにされた方がまだマシだと思った「違うんだ、大口の仕事で成功して、それで浮かれてしまって、誓う!僕とキミのお母さんは今までこんな事をしたことは一度もない、一緒に飲みに行ったのも初めてなんだ、な、そうだろうキミ」部長が私の同意を求めたけど私は頷く事ができなかっただってそんなのは何の言い訳にもならないことぐらい十分理解していたから「汚いよ!二人とも汚いよ!汚い!」長女が泣きじゃくりながら叫んだ 333 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:50:09 ID:1n7rysPIO 後ろから「どうしたの?」とルームメートがぞろぞろと外に出てきた気を利かせた親友のR菜ちゃんが「行こう」って言ってルームメートをエレベーターの方へ引っ張っていってくれた「すまない、僕らに少し時間をくれないか、頭が混乱してるから整理したいんだ、頼む、直ぐ帰るから」彼はそう言って長女を諭した「お母さん、この人と逃げる気なの?」私は黙って首を横に振った「逃げたりしない、必ず帰る、だから頼む、少し時間をくれないか」「逃げたら一生許さないからねお母さん、私あなたの事を凄く好きだったけど、凄く尊敬してたけど、逃げたらあなたの記憶を金輪際未来永劫記憶の中から消し去るからね」グサッと来た心臓を抉り取られたような気がした「M和、大丈夫、母さん必ず帰るから」声を糸交り出しながら辛うじてそう言った。「タクシーに乗りなさい」そう言って部長は財布を取り出し彼女にお金を手渡そうとした「要らない!あなたが出すのが筋でしょ、さっさと出しなさいよ!」もはやお母さんとも言わなくなった長女が私に手を出した私は一万円札を取り出し手渡した「心配しなくていいよ、ちゃんとお釣りは返すからね、帰ってこれたらの話だけど」そう吐き捨てると長女は帰っていった「参ったな…」部長は膝に手をつき、さすがに焦燥感を募らせているようだった「帰ります」「僕も一緒に出よう」受付まで降りるエレベーターの中に気まずい静寂が訪れた一緒に外に出て彼は私にタクシーを呼んでくれようとしたけど、私はそれを断った「少し気分が悪いから電車で帰る」「そうか、お互いどう対処したらいいか帰り道頭を冷やして冷静に考えよう」そう言うと彼は自分のタクシーを止めて町の中へ消えていった 334 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:50:57 ID:1n7rysPIO 彼のタクシーが町の光の中に完全に見えなくなると、私は電信柱の横にこれまで飲んで食べた物を全部吐き出したお願い!夢から覚めて!何度も心の中でそう叫んだけど、口の中の酸っぱい胃酸の香りが現実を知らせた逃げたら絶対許さないという長女の言葉を思い出したそうだ、私には帰らなければならないそれが私の責任なんだからタクシーに乗る、降りる、マンションのセキュリティボタンを押す、開く、エレベーターの前まで歩く…タヒ刑囚が糸交首台に乗せられるまでの心境を私は理解することができる行けば必ずタヒぬと分かってて、あえてそこに行かなければならない心境ドアノブに手をかける時のあの心境思い出すだけで冷や汗が流れてくるわギイ・・・ってドアが開いて玄関に夫と長女と次女の靴があってああ、長男はまだ帰ってないのかってそういう記憶だけはやけに鮮明に覚えてる玄関の照明は消されていて、薄暗くて自分でスイッチ押したら私の荷物がどっさりまとめられていたギョッとした私、捨てられちゃうんだって思った何もかも失っちゃうんだって思った長い間苦労して努力して創り上げた自慢の城が全てぶち壊し泣きそうだったでも泣いたら終わりだって傷つけたのは私なのだから、泣くのはおかしい、私が泣くのは筋が通らないそれぐらいの判断をする冷静さはあった 335 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:51:34 ID:1n7rysPIO リビングの証明は点いているのに物音ひとつしない不気味な静けさだった怖い、入りたくないよって凄く思った入れば捨てられちゃう心は拒否反応を示すけど、何故か足はリビングの入り口に勝手に進んでいくリビングの入り口に立つ私黙ってソファーに座る夫が視界に入ったいつもは優しくお帰り!と言ってくれるキス魔の夫が声一つ発せず腕組みをしながら目を瞑ってた続いてパソコン机の椅子に座る長女と地べたに腰を降ろした次女が視界に入った誰も何も言わない私は静かに夫の前に立つと床に正座し土下座した「すいません」それしか言い様がなかった「ただいまを言わないって事は帰るべき家ではないって自覚はあるみたいだね、ちゃんと荷物はまとめておいてあげたから」長女が冷たく言ったビクン!とした自業自得だけど帰りたくない!って思った捨てないで!って思った「事情は概ね聞いたよ、一応君からも説明してくれないか」いつもキラキラ輝いてる愛情に満ちた夫の瞳は、黒く沼の底の様に濁って見えた「はい…」「お母さん、他の人のこと好きになっちゃったの?」兄妹の中で一番私にベッタリな次女が泣きそうな声で私に言った私は小さく首を横に振って否定した「他の人のとこに行っちゃうの?」次女が続けて言った私は応えようがなかったそれは夫が裁くべきことだから「お母さん…」出て行くのかと思ったのか次女が泣き出した「へ~好きでもない人とあんな事出来ちゃうんだ?最低だね!」長女の怒号が響いた「ごめんなさい」長女は情に厚く正義感の強い子だから余計に私の事が許せなかったと思う「M和は黙ってなさい」夫が長女を嗜めて、私に発言を促した私はザックリとした事のあらましを夫に伝えた欠けてる部分を長女が補足したりした長女は私たちの後にカラオケルームに来て、小窓から私が知らない男の人と居るのを発見したらしい不穏な空気を察した長女はトイレに行くふりをして何度も偵察に来ていたそうだR菜ちゃんは私と面識があるので途中で私の存在に気がついて長女と一緒に心配してくれていたらしいそれでいよいよ私たちが明確な不倫行為をはじめたとき、堪らずドアを叩いたと最悪だと思った最悪の母親だと思った 336 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:51:57 ID:1n7rysPIO 「君のその上司に電話しなさい」夫はそう言ってさっき長女に手渡した名詞を私に差し出した「はい、あの、どう言えば…」「来てもらって話し合うしかないだろう」「はい」私は部長に電話した奥さんが出た「あの、○○(私の名)です、いろいろご迷惑をおかけして夜分遅くに申し訳ありません」「ああ、あなた電話よ!」冷たい奥さんの声質から、既に私達の不貞行為を聞かされてる事が分かった「ああ、こっちは今話し終わったよ」部長の声がしたかなり疲れてる様子だった「あの…、主人が来てもらいなさいって」「今から?明日じゃ駄目かな」私はチラと夫の方を見てから「お願い、今日来て」と小声で頼んだ「う~ん、こっちも事情がね」奥さんの心象を気にしている口ぶりだった「そっちが来れないならこっちが行きますが」夫が私から受話器をひったくると、上ずった声でそう言った「ああそうですか、じゃ妻と一緒に明朝会社に出向きますよ、それで良いですか」「オイ!あんたの都合なんかどうだって良いんだよ!今からそっち行くから待ってろ!」「ああん?最初からそう言えよ馬鹿!」夫は怒鳴りつけるとガチャン!と受話器を置いた私が始めてみる夫の姿だった夫はソファにドスン!と腰掛けた 337 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:52:23 ID:1n7rysPIO 待つ間、誰も何も言わなかった私は正座して永遠とも思える時間を過ごした玄関のドアが開いた「あ、お兄ちゃんだ」次女が小声で言った長男がリビングに顔を出した「どうしたの」異様な光景に長男が驚いて言った「お兄ちゃん何処行ってたのよ!」長女が言った「あいや、ちょっと友達とマージャン…、で、どうしたの?」正座してる私を見ながら長男が言った「この人がね!浮気したの!」「浮気?」素っ頓狂な長男の声「そう!会社の上司とね、カラオケルームでキスしてたの!」「ハハ、うそだろ?またまた~」「嘘じゃないよ!私がこの目でハッキリ見たんだから!R菜ちゃんも一緒に見たんだから!」「R菜ちゃんもって…え、え~?ちょっと待ってよ…ウソだろ」「これから先方がこっちに来るから、お前も着替えてきなさい」「ちょっと待って、母さんが浮気だなんて信じらんぇよ、みんなで俺を驚かそうとして…」「私だってウソだって思いたいよ!でも見ちゃったんだもん!私がこの目でみちゃったんだもん!嘘だと思うならR菜ちゃんに電話して聞いてみなよ!」「信じらんねぇよ、俺、母さんはそういう事とは一番遠い人だと思ってたから」「着替えなさい、もうじき来る頃だ」長男がガン!と拳で柱を叩いた「ア~!」と叫びながら長男がリビングを出ていった私が家庭の明かりを消してしまった昨日まであんなに輝いていた私の家庭を私が自ら消してしまった何でこうなった、何で…思い出せない、どうしたんだろう私私の携帯に部長から連絡が入った下まで来たと言うので部屋番号を教え、解錠ボタンを押したチャイムが鳴った夫が席を立ち、玄関のドアを開けた部長夫婦が入ってきた部長は入室するなり夫の前に膝を着き土下座した「申し訳ない」「申し訳ありませんでした」私も部長の奥さんの前に膝を着き土下座して謝罪した 338 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:52:44 ID:1n7rysPIO 「この人は初めてだって言うけどどうなんですか?」奥さんの声が頭上で響いた「それは誓って言う!本当だ!」「どうだか、私は前々から怪しいと思ってましたよ、ただの平社員に毎年毎年年賀状に会社に帰ってきてくれ、みたいな事書いて」「それは純粋に社の為を思ってだ!現に彼女の成績は社で抜きん出て…」「それでそちらに目移りしたんじゃないですか?見ればお顔立ちも随分お綺麗でいらっしゃるし、男の人は若い子の方が良いって言いますからねぇ」「若いったってお前、彼女だってもういい歳だぞ」「ふん」「ただの気の迷いだ、たとえば君と彼女が崖から落ちかけていても僕は迷わず君を先に助けるよ」「おい!」長男が部長の胸倉を掴み殴りつけた空手黒帯の長男の正拳で部長は後ろに吹っ飛んだ「あらあら乱暴なお坊ちゃんね」「なに?」「暴力沙汰になるとそちらが不利になりますよ、それでも良ければご自由に」「くっ」「聞けばウチのは火遊びだったようなので、どうですか、ここはお互い様って事で穏便に済ますというのは」同じ浮気でも男と女では重みが違う男は火遊びで済まされるが女の浮気はそうはいかない私だって崖から部長と夫が落ちかけてたら迷うことなく夫を選ぶでも私が同じ事を言っても上滑りするだけだ女の浮気は言い訳ができない女は家庭を守る生き物なんだ家庭の明かりは女が守る給料を貰ってようが貰ってまいが関係ない逆に男はお金さえ運んでくれば、浮気は火遊びで済まされる 339 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:53:05 ID:1n7rysPIO 「そちらは穏便に済んでもこっちは済まされないんでね」ああ、やっぱり捨てられちゃうんだ私体が震えた「あらあら、可哀想に」侮蔑の表情で部長の奥さんが私を見下ろした「相杀殳にはしない、慰謝料は払う!」「あなた、うちだって養育家やら何かとものいりなのよ」「僕は上司だ、相杀殳は公平じゃない」「分かりました、では双方の年俸の差額という事にしましょ」「金の問題ではないんですがね」「だって、お金以外に解決のしようがないじゃないですか」「700万でどうた?それで頼む!」「あなた!」「慰謝料の話の前に一つ聞いても良いですか?」「ああ、何でも答えるよ、ここまで来て隠す事なんか何もないからな」「見つからなかったらその先どうするつもりだったんですか?」「う、そ、それは」言い淀んだ部長は私の顔色を伺った「どうなんです?あなた!」「ど、どうって、カラオケボックスの中だぞ、それ以上の事なんか出来る訳ないじゃないか、なぁ君」部長が私に同意を求めた記憶が飛んだ私は同意しようとしたけど、何故か言葉が口から出なかった「きみ」「あらあら、ふしだらな女だこと」「何がふしだらよ!あんな事して何もする気がなかったって言葉信じるおばさんの方が頭おかしんじゃないの?この人はね、今さら嘘ついてもしょうがないって思ってるから黙ってるの!それくらい分からないの?いい歳して!」「まぁ、キスくらいで騒ぐなんてまだまだ子供ね」「キスだけじゃない、胸だって触ってたでしょ」「マジかよ」「それだけじゃないよ!」「何をしてたの?言ってごらんなさい!」「君!」「い、言えないよ!言えるわけないじゃん!」「母さんが、ウソだろ」「嘘じゃない!私友達にも見られちゃったんだよ!今頃みんな大騒ぎだよ!明日学校行けないよ!」「うわ、修羅場だな」「お姉ちゃん可哀想」「あなた!」「すまん」私何かした?私は家族のために身を粉にして働いてきたのに何でみんな私を責めるの?何でそんなに私を虐めるのよ!記憶が失せた私は心の中でそう思った本気で何も分からなくなった言い訳しなかったのは捨てられたくない一心だったから、それだけだった結局、慰謝料等の話はまた後日仕切り直しという事になった 340 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:53:31 ID:1n7rysPIO 部長夫婦が去り、再び私達家族だけになった私は正座したまま気まずい時間が流れた「両親に電話しなさい」「え」私は時計を見た間も無く日付けが変わる時間だった「このままでは朝を迎えられないだろう」夫は苛立っていた私は怯えた「はい、あの…」「ああ、ちゃんと君の口から事情を説明しなさい」「はい」両親に自らの不貞を告げる時の心境は想像を絶するものがあったでも今にして思えばその痛み一つ一つが再構築期間の猶予を与えてもらう為に必要なステップだった様に感じている実家に電話した出ないで!って思ったお願いだから寝てて!って思った呼び出し音を聞きながら心臓が壊れそうなぐらいドキドキした「もしもし」父が出た「私」「どうした、こんな夜分遅くに」「母さんは起きてる?」「ああ、今ちょうど寝たとこだが代わるか?」「ううん、いい、父さん、あのね」電話の向こうの父は何も言わずに私の次の言葉を待っていた多分私の口調で不穏な空気を察したのだと思う「私ね、不倫しちゃったの」父は相変わらず無言だった「それでね、今家族会議になっててね、父さんと母さんにも来てもらいなさいって」言いながら泣きそうになり、思わず声を詰まらせたでも必タヒで堪えたここで悲劇のヒロインを演じたら夫に捨てられると思ったから「分かった、そっちに行けばいいんだな?母さんも連れてすぐ行く」「ごめんね」父は私を咎めなかった昔から起こしてしまったものはしょうがないと思う人だったからでもきっと酷く心を痛めていたと思う「すぐ来ますって」「そうか、じゃ僕も親を呼ぼう、もう寝てると思うけど」「すいません」双方の両親はぴったり一時間後同時にやって来た携帯で連絡取り合ったらしい 341 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:53:53 ID:1n7rysPIO 「この度は私の不貞のために大変なご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした!」私は夫の両親の前で土下座して詫びた義母「どういう事なの?いったい」私はあやふやになってしまった自分の記憶に頼らず長女の話を中心に全て話したタヒぬほど恥ずかしかったし嘘で逃れたい気持ちがなかった訳ではない先述した通り自己防衛本能が働いて言い訳が口をつきそうに何度もなったでも必タヒにそれを飲み込んだハ~母が大きくため息をついた実母「あんたあんなに上手くやってたじゃないの、子供だって三人ともいい子に育って」私子「ごめんなさい」義父「私子ちゃん、酔っ払ってたの?」私子「酔ってはいました、でも自我を失う程ではありませんでした」お酒のせいにして逃れたい気持ちはあったけど長女が私の応対を見てたし、下手に正当化すれば自爆するだけと思い本当のことを話した義母「私子ちゃん前からその人の事を好きだったの?」私子「有能な上司だと思ってました、でもそれ以上の感情を持ったことはありません」長女「とてもそうは見えなかったけどね」地獄の番人の言葉に聞こえた私子「ごめんなさい、分かりません」実母「分からないって事ないでしょ、自分のことなのに」先述した通り私は自分で自分が分からなくなっていた義父「二人で大きな仕事で成し遂げて、その人の仕事ぶりに惚れてしまったんじゃないのかな」正直この言葉が一番堪えた今思い出しても胃がシクシクするだって薄給の夫の立つ瀬がないないもの、どう答えたらいいんだろうって思った「そんなつもりはないです、でも浮かれてたと思います、すいません」実母「夫婦円満だと安心してたのに、まったく」義母「どうするの?」義母が夫に判決を求めたいよいよ来たお願いあなた捨てないで!何でもする!本当に何でもする!家政婦としてでも良い!うちに置いて!捨てないで!そう思いながら私は正座して夫の判決を待ったすると父が夫の前に立ち、膝を着いた「おい」と言って母にもそうする様に促した母も父にならんで正座した私も母の横に並んで正座した「夫君、今回の娘の不貞はまったく弁解のし様がない、私の娘ながら情けない限りだ、気立ての良い子に育ってくれたと思っていたが、どうやら私達の教育が間違っていたらしい、君の心を著しく傷つけてしまった事を謝罪したい、面目ない!」そう言って父は床に頭を擦り付けた続いて母と私も頭を下げた私のせいだ、私が両親にこんな無様なことをさせてしまった心の中で浮かれて不貞を犯した自分自身を殴りつけた 342 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:54:53 ID:1n7rysPIO 夫君「いえ、私子はもう親元を離れ分別のつくいっぱしの大人です、この歳で親の責任というのはおかしい、この事は私子と自分の問題ですから、そんな謝り方をなさらないでください、頭を上げてください」実父「夫君、しかしこんな馬鹿な娘でも私にとっては可愛い娘なんだ」ここで私は耐えられなくなって俯きながら泣いてしまったどうしても我慢できなかった夫君「それは分かります」実父「だから頼む!もう一回だけ私子にチャンスを与えてやってくれないか?」夫君「…」実父「慰謝料は私が払う、もともと早めに財産分与しようと思っていたんだ、都内に一軒家を建てよう」夫君「いえ、お金の問題では…」実父「分かってる、君が金に綺麗な男だという事は十分分かってる、しかし私達にはそれぐらいしかできんのだ、もし私子が猶予期間中に君の納得いく姿勢を示せなければ、その家は君にそのまま進呈しよう、私が書面にしてもいい」義母「私子ちゃんはどうなの?」私子「え」義母「私子ちゃんはどうしたいの?」私子「やり直したいです!」義母「逆にその方が辛いって事もあるのよ?」突き放してる様だけど、義母の言ってることはよく理解できた猶予期間は針のむしろ生活が待ってるという事だ私子「それでもここに残りたいです!」夫は腕組みをしたまま、しばらく考え込んでいました夫君「分かりました、でも条件があります」実父「本当かね、ありがとう、何でもやる、そうだな?私子」私子「はい!」 343 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:55:24 ID:1n7rysPIO 夫君「ではおかあさん、彼女に料理を教えてあげてください」実母「え?ああ、はい、この子料理が下手だからねぇ」実父「お前がちゃんと教えてやらんから」夫君「いえ、難しい料理を教えてくださらなくてけっこうです、まずリンゴの?き方から教えてあげてください」実母「え」私子「リンゴぐらい?けるわよ!」はじめてまともな声で反論した夫君「M和、リンゴと包丁五本持ってきなさい」長女「うん」長女は義父ね実家から送られてきたリンゴを私と夫と三人兄妹に手渡した包丁が足りないので夫だけ十得ナイフを持った夫君「?きなさい」五人一緒に?き始めた五人が?き終わった皮が床に落ちた私のが一番いびつで肉厚でブツ切れだった切れ味が一番悪いはずの夫のリンゴの皮は薄く長く一本に繋がっていた実父「おまえ、リンゴの皮むきも教えてやらんかったのか!」実母「だってそんなの私だって教わらずにできましたよ」私子「すいません」実父「こんな状態で嫁に出して申し訳ない!」夫君「それと味噌汁の作り方を教えてあげてください」実母「はい?」夫君「彼女はしょっぱいから塩分は体に悪いからもう少し薄味にしてくれと何度言っても聞いてくれません」私子「すいません」夫君「信頼関係が成立していた時はお互い様だと思って黙っていましたが、それが崩れた今、彼女が私が早タヒにすることを望んでいるのではと疑念を感じています」私子「そんな事ない!あなたが早タヒにして欲しいなんて思ったこと一度もない!」長女「でもお母さん味噌ちゃんと溶かないから、いっつもペースト状に残ってるじゃん」長男「ちょっと前までダシ取らないで平気で作ってたし」長女「そうそうそれで出汁入り味噌に変えたんだよねw」次女「お姉ちゃん、お母さんをあんまり苛めないで!」長女「だって」夫君「ソーメンの茹で方教えてあげてください」長女「そそ、いつも少ないお湯にバサッと全部入れるからスイトンになっちゃうんだよねw」実父「おまえ…」私子「すいませんすいません」夫君「一生懸命働いてくれてるからと思って、自分で出来ることは自分でやろうと思っていましたが、これからはちゃんとした料理を作るように心がけさせてください」実父「分かったきっとそうさせよう」夫君「しばらくはそれで様子をみる事にします」実父「重ね重ね面目ない」長女「ええ、この人と同じ空気吸わなきゃならないの?やだ」実母「M和ちゃん、そんな事言わないで」義母「私子ちゃん本当に大丈夫?」私子「はい、大丈夫です」この時私は義母の言葉の意味するところを本当の意味で理解していなかった 344 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:55:50 ID:1n7rysPIO 翌朝、私は朝一で起きて出来る限り努力して朝食の支度をした「おはよう」次女が最初に起きてきて私に挨拶してくれた「おはよう」私も挨拶したけど上手く笑顔が作れなかったどの面下げてと自分でも思ってしまうそれより次女の瞬きが激しいのが気になったチック症状がでているようだ、私のせいだ次女が起きてきて、次に長男が起きてきた私が挨拶しても返さなかった、次女が心配そうに私を見た「おはよう」夫が起きてきた皆、父親には挨拶した夫だけが私の作った朝食に少しだけ手を付けた「どうした、食べなきゃ駄目だろ」夫が言った「食えるわけねぇじゃん」「今日の学校行ってからのこと考えたら食欲なんかわかないよ」「ごめんね」「みんなよく聞け」夫が厳しい口調で言った家族の視線が夫に集中した「お前達には幸福になる義務と権利がある、人生にどんな障/害があろうとそれに向かって努力しなければならない、母親の間違いに引きずられて自ら不幸になるな」辛辣な夫の言葉に打ちひしがれた立つ瀬がないとは正にこの事だ「君も仕事と今回のことの分別はつけなきゃ駄目だ、クライアントに君の不倫問題は何の関係もない話だからね、影響が出ないように」「はい」長男は黙って食事に手を付けた「やっぱり美味しくない?」恐る恐る聞いてみた「味なんかするかよ」「そうだね、ごめん」長女は食事に視線を送っただけで結局口をつけずに登校して行った 345 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:56:15 ID:1n7rysPIO 一月以上経ってもなかなか次女のチックが治らないもし私が出ていかざるを得ない場合、夫に土下座してでも次女は連れて行こうと思った長女は相変わらずご飯を食べてくれない、レトルトで済ませているようだその影響からかニキビが顕著に現れはじめた「M和、お願い食べて、レトルトばかりじゃ体に障るから」「無理、あんたに心配してもらう筋合いないし」「母親が作ったと思わないでいいから、家政婦が作ったと思えば食べられるでしょ?ね?ニキビだってそんなに酷くなったら痕に残っちゃうわよ」「ちゃんと皮膚科に行って診てもらいました!食事じゃなくて精神的なものだってさ!」「そう、ごめんね、私のせいよね」「そうだよ!」「M和、私が出て行ったらちゃんと食べてくれる?」「…」「お父さん料理上手だから、ちゃんとバランス取ってくれるよう頼んでおくから、そしたらちゃんと食べてくれるって約束してくれる?」駆け引きしてるつもりはなかったこんな馬鹿親でも子育ては戦いだから、子供は親の嘘を見抜くからこの時本当に私は腹をくくって言った「お願い、それだけは約束して」「分かったよ」「本当ね?」「食べるよ!食べれば良いんでしょ!」長女が二ヶ月ぶりに私の作った料理を食べてくれた「勘違いしないでよね、追い出すか出さないかはお父さんが決める事だから、私が決めることじゃないから食べてあげるだけだからね!」「うん、ありがとう分かってる」不倫は社内の誰もが知る事となった百億の仕事を取ったのにもかかわらず私達が殆ど口を聞かなくなってしまった理由を誰もが知りたがった不倫したのではないかという噂をされるようになった最終的に部長の奥さんが人事部に連絡を入れ、私と部長を別の部署に分けるように進言したのがきっかけで不倫が事実であると誰もが知る事になったしかし私達は双方共降格も査問もされなかった不倫でクビという話を散見するけど本当なのかなと思う基本的に大企業であるほど不倫に関しては個人的問題で済まされノータッチの所が多い仕事さえ出来れば係争していても大した問題にはならないむしろ飲酒運転の方がよっぽど厳しく裁かれるだから不倫でクビという話はそうあって欲しいという読み手と書き手のファンタジー的要素が多分に含まれていると私は思っている 346 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:56:36 ID:1n7rysPIO 三ヵ月後例の大口の仕事の件で一人残業していると、部長がコーヒーを持って私の隣に座った私は無視して仕事を続けたもちろん仕事の話はするが、私語は慎むようにしている「そっちはどう?」部長がそう言いながら私の机にコーヒーを置いた「どうって」「こっちは大変だよ殆ど汚物をみるような扱いで、ただ金を稼ぐ鵜飼の鵜みたいだ、会社の方がよっぽど気分が安らぐよ」「そう」「まだ怒ってるの?」「怒るって何を」「崖から君と妻が落ちかけてたらって話」「ああ、あれ」「あれはそうでも言わなきゃ場が収まらないからそう言っただけだ、正直言うとかなり迷うよ」「私は迷わない、私は躊躇せずに夫を助ける」「辛辣だな」「鵜飼の鵜でも必要としてくれるなら良いじゃない、私なんかずっと無視されたままよ」「同じだよ、このままだと精神的にもたない」「我慢するしかないでしょ」「君は許してもらえなかったらどうするつもりなの」「どうもこうも出て行くしかないでしょ」「ハハ、お互い大変だな、実は僕も離婚を考えてるんだ」「は?」「もう無理なんじゃないかって」「ふざけないで」「え?」「あなたと同じにしないで!」「い、いや同じとは…」「あなたは離婚で済むのかもしれなけど私にとってあの家が私の全てなの!あそこに私の全てが詰まってるの!あの家に居られなくなるって事は私がタヒぬことと同じなの!あなたと同じにしないで!」私は感情的になった「す、すまん」明らかに彼は狼狽していた「もう仕事以外の事で私に話しかけないで」そう言って私は部長を無視して仕事を続けた彼の尋常ではない動揺ぶりを見て始めて分かった部長は私の事が好きだったという事私も離婚して自分と一緒になれれば良いと思っていたという事いつの時点で好きになったのかは分からないけどいくら鈍い私でもそれぐらいは理解できた 347 :◆W/gSwczTMg 2014/08/27(水) 18:57:03 ID:1n7rysPIO 半年後、私は別の営業部に移動になったちょうどその頃、長男の気持ちが雪解けしたバスケ部の地区大会で決勝に進出した時、長男が大喜びして、私も凄く喜んで「お母さんゼッケン破けてるから縫っといて!」って言ったの普段は「おばさん」なのに「お母さん」って私は笑って「分かった縫っとくね」って言って、長男もハッとした顔して、照れ笑いして「ま、いっか」って言ってくれた凄く嬉し�…