全てのレス元スレ 2: ◆ukgSfceGys:2019/10/03(木) 21:43:32.21 :Gfjb6j9v0 ◆◇◆ 「ねーねー」 周子の何気ない一言で事務所の静寂が破れる。 二人しかいないこの空間、たった二人きりの空間で彼女は口を開く。 「前々からちょっと思ってたんだけどさぁ」 前々から? 一体何のことだろうか? 俺は彼女の言葉を聞き入れるため、彼女に顔を向ける。 「その、さ……。Pさんのことちょっと観察してて気になってたことがあってさ。それもあることに気が付いたら、なるほどなぁ……って納得してさ」 ……ん? なにか雲行きが怪しい……。 仕事の話かと思ったけど、なんかプライベートな話のような気がする。 「うんうん、Pさんのことだもんね。立場とかあるし、言葉にはできないこともあるもんね」 話を進めながら一人納得しだす周子。 ……確かにあのことに関しては立場がある。 俺はプロデューサーで、彼女はアイドルっていう立場が……。 「正直よく我慢してると思うよ。この長ーい間、その想いを隠しながら仕事で何でもないように接するなんてさ」 ……だってそんなこと、ファンや世間が許してはくれないだろう。 なにより俺自身が『彼女のプロデューサーなのだから』と自戒し封印した想いなのだ。 そんな俺の葛藤には気づかず、周子は言葉を続ける。…