1: シャチ ★ 2025/03/14(金) 01:00:45.19 ID:TDZVqa0u9 茶トラ猫の鮮やかなオレンジ色の毛並みとサビ猫のオレンジ色がかった茶色と黒が複雑に交ざる模様──その仕組みを解き明かす遺伝子の秘密は1世紀以上もの間、科学者と猫好きを悩ませ続けてきた。 1912年に初めて理論として提唱されたこの謎の遺伝子的カギが、日本とアメリカの科学者チームがそれぞれ昨年11月に公表した研究によって、ついに特定された。 独立した2つの研究はオレンジの毛色に関わる遺伝子、通称「オレンジ遺伝子」の正体を突き止めた。ARHGAP36だ。この発見は113年前の仮説を証明するだけでなく、色素に関する新たな生物学的経路を明らかにしている。 1912年、アメリカの遺伝学者クラレンス・クック・リトル(C. C. Little)は、猫の毛色の遺伝をX染色体と結び付ける画期的な説を提唱した。 リトルの仮説によれば、オレンジの毛色を決めるのはX染色体にある遺伝子の変異だ。茶トラ猫がほぼオスばかりで、サビ猫がほとんどメスなのは、これによって説明がつく。 つまり、性染色体がXYのオスの場合、毛色はオレンジ色になるか、ならないかの2択しかない。一方、性染色体がXXのメスは、それぞれのX染色体の遺伝子を受け継ぐ可能性があり、サビ模様になる。 2つのX染色体に「オレンジ遺伝子」が必要なため、茶トラのメス猫は比較的まれにしか生まれないという。 「オスのサビ猫や三毛猫は時に存在するが、その原因は通常、不妊を引き起こすX染色体の過剰など、性染色体数の異常だ」。シドニー大学とミズーリ大学コロンビア校の科学者らは学術系ウェブサイト、ザ・カンバセーション(The Conversation)でそう解説している。 その肝心のオレンジ遺伝子がARHGAP36だと、ようやく判明したわけだ。 日米の研究によれば、ARHGAP36の欠失という変異が、関連タンパク質の毛包発育期の働きに作用する。 ARHGAP36はオレンジ色の部分で活発な活動を続ける一方、非オレンジ色の部分ではおおむねオフ状態になる。欠失変異は問題のタンパク質を変化させないが、活動部位に大きな影響を与え、あのオレンジ色を発現させるという。 「毛色を研究すれば、細胞間の情報伝達について学ぶことができる。色素の明るさや暗さを決める色素細胞の作用は、近接する細胞が送る信号に影響されているからだ」。 アメリカ側の研究の筆頭筆者で、スタンフォード大学の遺伝学者クリストファー・ケーリン(Christopher Kaelin)は本誌にそう語る。 共同執筆者であるスタンフォード大学の遺伝学者、ケリー・マゴーワン(Kelly McGowan)に言わせれば、猫は特殊なケースで、研究対象として価値が大きい。 「犬や羊、牛、馬、ウサギなど、多くの家畜にオレンジ系の色をした種類が存在する。これは、2つの遺伝子のうち1つの変異によるものだ」と、マゴーワンは語る。 「こうした法則の興味深い例外が茶トラ猫で、変異が性別と結び付いている。茶トラ猫は、いわば遺伝学的ユニコーンだ」 マゴーワンによれば、それだけではない。 「研究が示すように、猫のオレンジ色を発現させる変異は、色素細胞の内部だけで特定の遺伝子のスイッチを入れる。その他の細胞型は影響を受けないようだ。ある数年前の研究によると、ヒトの場合は同じ遺伝子が他の細胞型で活性化すると、極めて深刻な疾患を引き起こし、患者の軟部組織(筋肉や腱、靭帯)は徐々に骨化してしまう」(以下ソースで 3/13(木) 18:10配信 ニューズウィーク日本版 画像 引用元: ・【研究】113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎」が最新研究で明らかに [シャチ★]…