1 名前:昆虫図鑑 ★:2025/02/19(水) 17:21:41.65 ID:B3DGuHhf.net 東アジア全体の少子化 少子化(出生率低下)は世界的な現象だが、特に東アジア圏の減少ぶりが凄まじい。 国連の2024年World Population Prospects(WPP) によれば、2023年の合計特殊出生率は、東アジア全体で1.01、国・地域別では中国1.00、韓国0.72、台湾0.87で、日本の1.20がこの中ではもっとも高い。しかも、中国の1.00も厳密には0.9986なので1.0を切っている。 特に、中国も韓国も近年に急激に出生率を落としているが、これらの国の出生率低下は日本と同様ほぼ婚姻数の減少による。しかも、20代の婚姻数の減少であり、そこも日本と同じである。つまり、日本も中国も韓国も20代の結婚が増えなければ、出生率が回復することはないのである。 ちなみに、2024年に関しては韓国の婚姻数が若干上向いたという報道もあるが、すでにここまで落下した状態でのキープなので全体を押し上げるほどの力はない。 (略) 「20代の山の頂点」がすべてを決める 2023年の各国の年齢別出生率だけを比較すると以下のようになる。 端的にいえば、中国と韓国という1.0を切った国と日本・フランスとの最大の違いは山の頂点の違いである。出生率は正規分布に近いカタチをとるので、山の頂点が低ければ当然全体の出生率は低いままとなる。 そして、韓国の場合は、20代の出生率が壊滅的に激減してしまったことで、30代以降の出生率上昇も見込めないという最悪な状態になっている。 韓国と違い、中国も減ったとはいえまだ一番出生率が高いのが20代である。中国の場合は、この20代出生率をキープしたまま、30代での第二子、第三子出生が促進されればまだ回復の余地はあるだろう。 日本とフランスの違いは山の頂点の高さだけだが、では、日本は現在の頂点である31歳の出生率をあげればいいと言う話でない。むしろ、フランスとの決定的な差は20代の出生率の違いである。ここをあげない限り、日本の出生率もやがて1.1へ、そして1.0を切ることになるだろう。逆に言えば、20代の出生率をあげていくだけで、自動的に30代以降の出生率はあがる。少子化対策のキモは20代の出生率改善なのである。 そして、それは子育て支援では効果はない。中国も韓国も日本同様子育て支援には大きな予算をかけている。が、そもそも20代での結婚数が増えなければ絶対に実現しない。 20代が結婚できない問題 何度も言うが、結婚を希望する若者の割合は40年前から全く変わっていない。若者が結婚を回避しているのではなく、結婚したい若者が若者のうちに結婚できないという不本意未婚の問題なのである。 不本意未婚率も、2015年時点で計算した時は4割だったが、その後5年間で5割にまでに増えている。「結婚しない若者が増えている」のではなく、「結婚したいのにできない若者が増えている」のだ。 参照→結婚したいのにできない若者が4割~「不本意未婚」増大した若者を取り巻く環境 参照→「29歳までに結婚したい」という若者の希望が半分しか叶えられない「不本意未婚」問題 不本意未婚の原因は、社会的問題と経済的問題があるが、特に経済的問題でいえば、元々20代の結婚ボリューム層であった年収中間層の若者(年収300-400万)が結婚できなくなっていることが統計から明らかである。 もっとも人口が多く、もっとも結婚に前向きな20代の中間層が、増える国民負担率と物価高というダブルパンチによって「とても経済的に無理だ」と結婚できないのだから、当然その結果として出生率は下がる。 つまり、少子化は20代出生率の低下に尽きるし、それは20代の結婚数の減少に尽きるし、20代の結婚が増えないのは、決して若者の価値観のせいではなく、若者が置かれた厳しい経済環境によるものだということである。 真の少子化対策とは何をすべきかは当然決まってくるだろう。的外れなことをこれ以上続けていれば、数年後には韓国のような状態に確実に陥るだろう。 荒川和久 引用元:…