元スレ 全てのレス 1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/10/19(土) 19:16:14.14 :FPzf9Wlv0 そろそろ出ようと扉に手をかけたところで、カヨコは立ち止まった。 玄関の外から慌ただしい物音が徐々に近づいてきていた。沈黙し、手を戻して、数歩だけ扉から下がった。 ドタバタとした足音が扉の前で止まって、 「ああ、もう…鍵、鍵…!」 慌てた声と身をまさぐる音が扉の向こうから聞こえてくる。 「開いてるよ」 カヨコが声を掛けると、扉の向こうにいる人物が押し黙った。 すぐに扉が開くと、驚いた表情のアルが顔をのぞかせた。 「カ、カヨコ…?今日は、有給じゃなかった…?どうして事務所にいるの?って、それどころじゃなくて!」 言いながら、焦った様子で事務所に入り込んで、カヨコの横を慌ただしく通り過ぎる。 「今日、三人で仕事してたんじゃなかったの?」 「そうなのよ…!今もう、大変で…!」 自席に駆け寄るアルを目で追いながら、扉に背を向ける。 パーカーのポケットに手を突っ込んで、ドタドタと忙しない物音に近づいた。…