1: 煮卵 ★ 2024/10/15(火) 09:22:45.91 ID:di0v2e0t9 全国各地に300店以上を展開する「遊べる本屋」ことヴィレッジヴァンガード(以下、ヴィレヴァン)が2024年5月期決算で赤字転落を発表すると、「ヴィレヴァン経営の失敗?」といった記事が散見されるようになった。「ショッピングモールに出店したことで、ヴィレヴァンの独自性が失われた」「ヴィレヴァンらしい店づくりができる人材が減ってしまった」といった論調が中心だが、果たして問題はそれだけなのだろうか? サブカルの担い手として知られるヴィレヴァンのビジネスモデルを簡単に説明すると、サブカル関連の雑貨をそろえた異空間のような売り場を構成し、雑貨を衝動買いしてもらいつつ、その世界観の軸となっている書籍を手に取ってもらう手法の書店である。赤字転落が取り沙汰される前から、ヴィレヴァンの業績は右肩下がり、収益は低空飛行の状態が長く続いていた。一方で、厳しさを増す書店業界で「なんとか健闘していた」ともいえる。ヴィレヴァンの現状を、データで分析してみよう。 ◼ピーク時には400店以上まで拡大 図表1は、ヴィレヴァンの2002年以降の売上高と経常利益の推移だ。2014年までは順調に増収増益で推移していることが分かる。この時期、全国のショッピングセンター、特に地方のイオンモールへの出店を急速に増やしたことで、店舗数もピークの400店を超えるほどになっていた。 しかし、過剰出店気味となり、店舗当たりの売り上げが低下。2015年以降は不採算店舗の整理を実施して規模を適正化しつつ、店舗当たりの売り上げを維持して、なんとか収益を確保していた。ちなみに、2017年5月期に大幅な減収となっているのは、子会社の雑貨チェーン、チチカカの業績が急速に悪化し、他社に売却したことが影響している。 コロナ禍以降は不採算店整理を上回る売り上げの落ち込みがあり、店舗閉鎖による収益改善も追い付かなくなった(図表2)。コロナ禍が実質的に終息した2023年は売り上げの回復が期待されたが、結果としてさらに減収が進み、10億円弱の経常赤字を計上するに至った。 ◼大丈夫なのか? こう聞くと「大丈夫なのか?」と思うかもしれないが、会社の資金や自己資本は潤沢であり、改善策を実施する時間的余裕は十分ある。2024年に入って売り上げも回復に転じており、今期の黒字回復(2025年5月期の業績予想は売上高272億円、経常利益2億400万円)は実現する可能性が高い(図表3)。 ヴィレヴァンが急拡大した後に急失速したことについて、さまざまな分析がされている。中でも「SNSの影響力がマスメディアを上回るようになり、サブカルという概念自体が曖昧になるにつれて、ヴィレヴァンの対象市場が縮小し始めた」「大半の出店場所がショッピングモールになったことで、ヴィレヴァン独自のとがりや毒気が抜けてしまった」といった指摘が散見された。 「急拡大に伴いヴィレヴァンの異空間を作り出せる人材が希薄化してしまった」という意見も多く、その結果、ヴィレヴァン独自の世界観が失われたという評価にもつながっているようだ。おそらく、これらの意見は全て当たっていて、時間の経過とともに変化した環境と、上場して市場に成長をコミットするために起きた変質とが相まって、顧客とのギャップが大きくなったのだろう。 ◼ヴィレヴァンがすべき店舗網の再構築 人材に関して、かつて運営会社にインタビューしたことがある。ヴィレヴァンの“異空間店舗”は、店長やスタッフの運営におおむね任されている。スタッフは店に来ていたお客がアルバイトになり、バイト店長になり、そして正社員店長になる、という過程を経て、ヴィレヴァンへの適性を会社と社員が互いに判断する。こうして育成された人材は、いわば一人ひとりが店舗コンセプトなのだ。彼ら・彼女らを転勤させることが店舗のリニューアルにつながり、店舗が陳腐化することを回避できる、というロジックがあった。 続きは↓ [ITmedia ビジネスオンライン] 2024/10/15(火) 8:00 引用元: ・赤字転落のヴィレッジヴァンガード 苦境の原因は「サブカル不調」「人材不足」だけとは言い切れないワケ [煮卵★]…