1: ジオろぐ 2025/09/26(金) 09:45:14.31 ID:HZc/JpxK ~高精度センサーとデータサイエンスと心理物理実験により、巧緻な動作と高次の知覚の関係を解明~ 一般社団法人NeuroPiano 2025年9月24日 11時00分 ポイント ・ピアノの音色が奏者の意図した通り変化し得るかは100年以上解明されてこなかった。 ・1秒間に1000コマで鍵盤の位置を計測できる独自開発の非接触センサーを用いて、プロピアニストが様々な音色で演奏した際の鍵盤の動きを計測。 ・データサイエンスと心理物理実験により、演奏者が意図した音色がピアノ演奏経験の有無に関わらず、聴き手に知覚されることが明らかになった。 ・鍵盤の動きの特定の特徴のみ異なる打鍵が生み出す音は、異なる音色に知覚されることから、鍵盤の動きと音色の間の因果関係が同定された。 一般社団法人NeuroPianoおよび株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所の古屋 晋一 博士らのグループは、ピアニストの鍵盤操作がピアノの音色を変化させることを初めて科学的に明らかにした研究成果を発表しました。絵画や音楽といった芸術における創造性は、鑑賞者に多彩な知覚体験を生み出す能力に支えられています。しかし、楽器演奏において、音色がはたして変えられるのか、そのためにはどのような身体運動技能が必要かは、明らかにされていませんでした。 研究グループは、ピアノの鍵盤の動きを1秒間に1000コマの時間分解能で計測できる独自のセンサーシステムを開発し、プロピアニストらが様々な音色をピアノで表現している際の鍵盤の動きを計測しました。その結果、ピアニストが意図した音色は、ピアノ演奏訓練の経験の有無にかかわらず、聴取者が聴き分けることができることが明らかになりました。さらに、音色の違いを生み出す鍵盤の動きの特徴を同定することにも成功しました。 この発見は「ピアニストはタッチによって音色を変えられるのか?」という、100年以上未解決の問いに対して、ピアニストが培ってきた「タッチによる音色操作」が、単なる感覚的な比喩ではなく科学的に裏付けられた技能であることを示しました。本研究成果は、音色を生み出す具体的な動きの特徴を可視化・指導できる可能性が開け、効率的な練習や誤学習の予防につながります。また、高度な身体運動制御が芸術的知覚を形作ることを明らかにし、リハビリテーション、技能伝承、さらにはヒューマンインターフェース設計など多分野への応用が期待されます。 本研究成果は、2025年9月22日(米国東部時間)に国際科学誌「米国科学誌 Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)」で公開されます。…