1:蚤の市 ★:2024/06/26(水) 10:05:11.60 【フランクフルト=林英樹、ニューヨーク=川上梓】自動車大手ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は25日、米国の電気自動車(EV)新興、リヴィアン・オートモーティブに最大50億ドル(約8000億円)を投資すると発表した。リヴィアン本体に出資するほか、共同出資会社も立ち上げる。共同で次世代EVを開発するとしている。 VWはリヴィアン本体にまず10億ドルを出資する。さらに24年10〜12月中にリヴィアンと自動車のソフトウエアを主に開発する共同出資会社を立ち上げ、26年までに40億ドルを追加で投資するとしている。新会社は折半出資となる見通し。協業を通じて開発する新型車は20年代後半に発売する計画という。 共同出資会社で、ソフトが車の性能や機能を決めるソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)の開発を進めるとしている。EVの中核部品である電池やプラットフォーム開発は当初の協業には含まないが、「今後、他の協業を検討していく可能性はある」(リヴィアン)としている。 VWのオリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)は同日、「自動車に最適な価値を迅速かつ低コストで提供できるようになる」とリヴィアンへの出資の狙いをコメントした。 リヴィアンはEV専業で、テスラに次ぐ新興企業として期待されてきた。だが、米国市場のEV販売の減速で収益拡大に苦戦しており、最終赤字が続いている。24年1〜3月期の最終損益は14億5000万ドルの赤字だった。 リヴィアン創業者兼CEOのロバート・ジョセフ・スカリンジ氏は「今回の提携は当社の成長に必要な資本を確保する狙いだ。両社でさらなるコスト削減を実現する」と話した。提携の発表を受け、リヴィアンの株価は25日、市場外取引で前日比で50%上昇した。 米国では、リヴィアンと同じくEV専業の新興企業であるフィスカーが18日、日本の民事再生法に相当する米連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請した。最大手のテスラも含め、EVメーカーを取り巻く経営環境の厳しさが増している。 新興EVの経営が厳しくなった背景の1つは米国のEV市場の縮小だ。米バイデン政権は脱炭素政策を進め、22年の「インフレ抑制法」で消費者に対する税額控除の対象を北米生産車に限り、国内のEV産業の育成を目指した。 しかし中国に依存しない調達網の構築は進まず、車メーカーは低価格EVを生産できていない。調査会社マークラインズの25日の発表によると、5月時点の米国のEV比率は9.7%と主要国(22%)や約5割を占める中国に大きく出遅れている。 日本経済新聞 2024年6月26日 7:06…