195 本当にあった怖い名無し 皇紀2665/04/01(金) 00:26:05 ID:KsMkuVcA0(1/4)私は数年前まで中学校の教員をやっていた者です。学校というところは、大勢の人間が行き来するだけにさまざまな『気』が澱んでゆく場所のようです。よい意味で清々しい気もあれば、悪意に満ちた気もある…これはそんなことではないかなという私の体験です。 私が教員になったばかりの頃ですから、今から15年以上前になります。当時一人の病弱な男子生徒がいました。先天的に腎臓に障害があり、小学校時代から定期的に人工透析を受ける生活を続けていた彼は、自分の病を正面から受け止めて精一杯生きている少年でした。「頑張り屋」…当時の彼を知る周囲の一致した評価です。教室では誰もが自然に、彼に一目置いていました。体がきつい時でも笑顔を絶やさず、決して人の悪口を言わない。話も面白いし、友人の悩みごとの相談にものってあげる。学校を休みがちだったにもかかわらず勉強でも上位の成績を維持していましたし、それを鼻にかけることもない。誰もが嫌がる秋の恒例行事『駒ケ岳縦走』も、病をおして三年間とも参加するなど、大人の我々から見ても彼の頑張りは尊敬に値するものでした。それは学校祭も駒ケ岳縦走も終わった晩秋のことでした。…