1: バイト歴50年 ★ 2025/09/17(水) 22:35:03.65 ID:x/pCtjyh9 2023年11月末のことだった。最後の食事は1週間ほど前に食パンをかじったきり。空腹は限界に達していた。「このまま飢え死にするのか…」。もうろうとする意識の中で、ふと自宅から400メートルほど離れた小さなたばこ店のことを思い出した。 昭和から続くその店は、90歳近い店主の男性が一人で営んでいた。「あそこなら脅せば金が取れるかもしれない」。家にあった刃渡り18センチほどの釣り用のナイフをトートバッグに入れ、店に向かった。 午後6時40分、鍵のかかっていない裏口から店内に入ると、気が付いた店主が「なんだなんだ」と大きな声を出し始めた。バッグから取り出したナイフを見せたが、声はどんどん大きくなるばかり。「このままだと近所に気づかれる」。思わず左手で首を押さえつけて押し倒し、拳で何度も殴りつけた。ばたばたと手足を動かしていた店主は、やがてぐったりと動かなくなっていった。 「あなた何しているの?」。振り向くと高齢の女性が立っていた。同居している店主の妻の妹だった。「こんなことやめて。罪が重くなるだけよ」 明日食べる物にも困っている身には、説教にしか聞こえなかった。「もうどうなってもいい、金が欲しい」。ナイフを突きつけ、首に手をかけた。「分かった。少しなら出せるから」。女性はクッキー缶におつり用として入れてあった5万円分の現金を差し出した。その手からお札を奪い取った男は、家にナイフを置きに戻ってから近所のスーパーに向かい、買った弁当を店の前でかき込んだ。久しぶりのまともな食事。生き返った気分だった。 空腹が満たされるにつれ、罪悪感が募った。「この金が無くなる前に、仕事を探そう」。だが仕事の当ては見つからないまま3週間が過ぎたころ、自宅に警察官がやってきた。「やっぱり来たと思った。この年で刑務所に入るくらいなら死のう」。部屋に入ってきた警察官にナイフを振り回して抵抗し、自身の左首筋を切ったが一命を取り留めた。 逮捕後、店主はあごを骨折し全治1カ月、女性は首に全治一週間のけがを負ったと聞かされた。「傷つけるつもりはなかったが、飢えには勝てなかった。申し訳ない」 ▽生活保護受給阻んだ「プライド」 今年5月の東京地裁の法廷。被告人質問で男の口から語られた犯行の一部始終を聞き終えた検察官は「事件を起こす前に行政を頼って生活保護を受給する考えはなかったのか」と問いただした。 数秒の間を置いて、男は吐き出すようにこう弁明した。「同じアパートに生活保護を受けている人がいて、いつもプラプラしているように見えた。自分は学歴もないし、建設以外の仕事もできない。それでも誰にも頼らず生きてきた。そんなプライドのようなものがあったのかもしれない」。 引用元: ・預金残高わずか6円、「21世紀に飢え死にするなんて…」 下町のたばこ店に強盗に入った73歳の職人が生活保護を拒んだ理由とは [バイト歴50年★]…