1: 蚤の市 ★ 2024/01/06(土) 23:10:23.76 ID:67WteR+m9 能登半島地震での火災で、石川県輪島市河井町の朝市通りでは約200棟が焼けた。一角で輪島塗の漆器店を営む谷川寛允(ひろすけ)さん(88)は、木造2階建ての製造工場兼自宅を全焼。焼け野原となった街並みを見て肩を落とした。「これが人生か。情けなさが込み上げてくる」(市川泰之) ◆「何もかも。鼻紙一枚なくなった」 祖父の代から続く「谷川漆器店」の3代目で、愛知県刈谷市出身。戦後、先代の父が輪島市内に拠点を移し、最盛期には職人8人を抱えた。愛知県内の日本料理店などに、輪島塗の食器や茶器を販売してきた。 地震後、近所の人から津波警報を知らされた。貴重品も持たずに近くの避難所に逃げた。その後の火災で、朝市通り近くの工場兼自宅は全焼。1階は木地に漆を塗る仕事場、2階は谷川さんと妻らが暮らす自宅で、漆を塗り終えた製品も多く置いてあったという。 火災後は毎日現場を訪れる。焼け跡に、使えそうな家財道具は見つからない。収集していた海外の硬貨や大切な手紙も焼失した。「お金も通帳も、何もかも。鼻紙一枚なくなった」 妻らが安心して暮らせるようにと、十数年前に建て替えた。やるせなさが押し寄せる。「会社を再建するにも資金が必要。この年齢では、もうあきらめるしかない」と声を絞り出した。 輪島市門前町に住む長女の自宅も全壊したという。「大変なのは自分だけじゃない。嘆いとっても仕方ない」と気丈に振る舞うが、避難所暮らしは「正直こたえる」と漏らす。 幼少期に過ごした刈谷市では、1945年1月の三河地震を経験した。「あのときと比べものにならん。人生の終わりがけに、とんでもないことになった」と途方に暮れた。 輪島塗 石川県輪島市で生産される木製漆器で、1977(昭和52)年に全国の漆器産地で初の国重要無形文化財(工芸技術)に指定された。江戸時代に技法が確立され、北前船で販路を全国に拡大したとされる。おわんや重箱、棚、茶道具など製品は幅広く、漆を塗った上に金銀などの粉で絵を施す沈金や蒔絵(まきえ)の美しい装飾が特徴。 東京新聞 2024年1月6日 16時00分 引用元: ・3代続いた輪島塗店は焼けた「これが人生か」 途方に暮れる88歳「再建するにもこの年齢では」 [蚤の市★]…