1 名前:仮面ウニダー ★:2023/10/30(月) 13:48:30.11 ID:MwspKAtH.net ー前略ー 習近平政権下の中国で、また世界を唖然とさせる政策が下った。今回は“禁書”である。 10月17日に共同通信が配信した記事〈中国、明朝の歴史書を回収処分「亡国の王」が習氏を連想か〉によると、 標的となったのは、『崇禎:勤政的亡国君(勤勉な亡国の王)』という、一見、現在の政治とは関係なさそうな歴史書だった。 崇禎(すうてい)とは明王朝のラストエンペラーの諡号である。 同書は崇禎の一代記で、著者は今年の5月に死去した歴史家の陳梧桐氏。 2016年12月、『崇禎往事』というタイトルで第1版が発売されたが、版元は改訂版を出すにあたり、 タイトルを『崇禎:勤勉な亡国の王』と改め、表紙に「勤勉であればあるほど、国は滅びる」という宣伝文が加えられた。 この改変が当局の癇に障ったようである。 回収の理由について、表向きは、「印刷の問題」と発表されているが、現実には、改訂版のタイトルと宣伝文句が 習近平国家主席を連想させるとして、事実上の販売禁止にされた可能性があると、共同通信の記事は結んでいる。 思い返せば、習近平が敬愛してやまない毛沢東も、権力の奪回を目的とした文化大革命を発動するにあたり、 北京市副市長にして歴史家でもあった呉?ヨ(ご・がん)著の京劇戯曲『海瑞罷官(海瑞の免官)』に対する 激しい批判文書を新聞に掲載させた。期せずして、これも明の時代を扱った作品だった。 今回の禁書措置が習近平の指示によるのか、習近平に対する忖度によるのかは不明だが、筆者は明代絡みのこのニュースに接し、 今年のNHK大河ドラマ『どうする家康』でも描かれた朝鮮出兵を思い出した。 その連想は突拍子もなく思えるかもしれないが、豊臣秀吉による朝鮮出兵は明の衰退とその後の滅亡に関係していた。 ・「こんな滅茶苦茶にして放り出すのか」 ー中略ー 10月22日放送の第40回「天下人家康」では和久井映見演じる北政所が、秀吉晩年の不始末を「わやちゃか」という言葉で表現している。 「わやちゃか」とは尾張弁で「しっちゃかめっちゃか」という意味。秀吉により滅茶苦茶にされたのは、日本と朝鮮、日本と明王朝との関係、 朝鮮の全土とそこに暮らす民および従軍した大名とその将兵すべてだった。 ー中略ー ・戦乱による荒廃に大飢饉が追い討ちをかけた 一方、秀吉による朝鮮出兵は明王朝にも大きな打撃を与えた。朝鮮への援軍派遣と前後して、 西北部の寧夏と南西部の貴州で大規模な反乱が起こり、明の朝廷は大忙しである。 これら3つの軍事行動は時の年号を取って、「万暦の三大征」と呼ばれる。 戦争はとにかく金のかかるもので、「万暦の三大征」により、明王朝の国庫は一気に底をつく。 ー中略ー 秀吉の朝鮮出兵の影響は別の方面にも表われた。明には精兵と呼べる部隊が少なく、 倭寇の被害が最大規模に達した嘉靖30年代(1532~1541)には、正規兵が役に立たないことから、 「狼兵」の名で呼ばれた広西のチワン族の手を借りねばならなかった。 これではいけないというので、漢民族からなる精鋭部隊が育成され、遼東に配備されるが、 寧夏で起きた反乱が下火に向かったと判断されるや、今度は朝鮮半島へ派遣され、 その間、本来の任務である東北の異民族に対する監視と威圧が疎かに。 この間隙を縫って台頭したのが女真族だ。初代のヌルハチは国号を金(後金)、2代目のホンタイジはそれを清と改め、 3代目の順治帝の治世には明を滅ぼした李自成を破り、中華に君臨することとなった。 日本の天下人が東アジア情勢全体に大きな影響を及ぼしたのは、後にも先にもこの一回きりだった。 島崎晋 全文はソースから マネーポスト 10/29(日) 15:15配信 引用元:…