1 名前:昆虫図鑑 ★:2023/06/27(火) 09:17:38.45 ID:gKEZ33kL.net 日韓ともに少子化が加速している。とりわけ韓国の合計特殊出生率は2022年まで7年連続で低下し、0.78(暫定値)まで落ち込んだ。同年に過去最低と並んだ日本(1.26)や経済協力開発機構(OECD)諸国平均(1.58=2020年)をも大きく下回る低水準だ。その背景を、ニッセイ基礎研究所の金明中(キム・ミョンジュン)主任研究員が解説する。 韓国版「一人っ子」政策 なぜ韓国では日本以上に少子化が深刻になってしまったのだろうか。 韓国では特に2015年以降、出生率が一段と低下している。これは、同年以降に出産した女性の多くが1980年代中盤以降生まれということと関係している。産児制限政策が80年代に、それまでの「2人産んでよく育てよう」から、「1人だけ産んでよく育てよう」に変わり、出生率低下につながったと考えられる。 次に韓国における少子化の大きな原因として考えられるのが、若者を取り巻く経済状況が良くないことである。韓国ではまだ儒教的な考えが根強く残っており、日本と同じように結婚してから出産するケースが多い。しかし、若者の多くは安定的な仕事を得ておらず、なかなか結婚を選択できない立場に置かれている。 大企業の狭き門、若年失業や就職浪人も 2022年の15~29歳の若年層失業率は6.4%で、失業率全体(2.9%)の倍以上もあり、日本の若者の失業率(20~24歳4.8%、25~29歳3.8%)を大きく上回っている。 韓国で若者の失業率が高い背景には、大学進学者が多く、卒業後の就職における需要と供給のミスマッチが発生していることがある。サムスン電子や現代自動車などの大企業(一次労働市場)と中小企業(二次労働市場)の間の賃金格差は大きく、「労働市場の二極化」が進んでおり、労働条件の格差は日本以上に大きい。大企業という狭き門を巡り就職戦線は厳しさを増している。 大企業の従業員は相対的に高賃金、良好な労働環境、労働組合による保護などの点で恵まれている。一方、中小企業は賃金が低く、劣悪な労働環境や、労働者の権利を保護するために経営者と交渉する労働組合の不在というように、求職者にとって魅力が乏しい。そこで、多くの若者は「就職浪人」をしてまで大企業に入ろうとするが、採用されるのは一部の人に過ぎない。 これを裏付けるデータとして「拡張失業率」がある。これは、国が発表する失業者に、潜在失業者(就労を希望しつつも、さまざまな事情から求職活動をしていない失業者)や不完全就業者(労働時間が週18時間未満)を加味した失業率。15~29歳の拡張失業率は22年時点で19%に達している。 大企業に入れなかった若者の多くは公務員試験へと流れるが、合格は容易ではない。志願倍率は年々下がっているものの、同年の国家公務員採用試験の倍率は、最下位(9級)級でも34.3倍に達した。 不動産価格の高騰も未婚化・晩婚化の一因だ。韓国では結婚前に男性側が家を用意する慣習があり、近年の不動産価格の高騰は男性にとって結婚のハードルを高め、婚姻件数の減少につながっている。最近は、韓国銀行(中央銀行)の急速な利上げでマンション価格は下落している半面、住宅ローン金利は上がっており、マイホームの夢は遠のいたままである。 あまりに重い教育費負担 教育費の負担感が重いことも、子育てをためらわせる要因だ。韓国では特に塾や習い事、プライベートレッスンといった学校外の教育(私的教育)費負担が大きい。小学生から高校生までの学外教育費は2021年には前年比21%増の23.4兆ウォン(2.6兆円)、全学生のうち学外教育を受けている人の割合も75.5%に達した。学生1人当たり1カ月平均教育費は48.5万ウォン(5.3万円)、高校生に限ると64.9万ウォン(7万円)となる。 この金額はあくまでも平均値であり、地域や所得階層間で大きな格差がある。 (略) ここまで日本とは異なる韓国の少子化の特徴について説明した。しかしながら、両国では①晩婚化や未婚化の進行②賃金などで男女差別の存在―といった少子化をもたらす原因に共通点も多い。また、両国とも子育て世帯を中心とする育児政策だけではなく、若者の就労対策や公的住宅の拡大などで結婚の経済的負担が減るような支援も強化する必要があるのではないだろうか。 日韓関係の改善をきっかけに、両国における最優先課題とも言える少子化対策に共同で対処するのはどうだろうか。両国の未来のために共に知恵を絞りたいものだ。 引用元:…