1:グロエオバクター(東京都) [GB]:2023/02/21(火) 01:26:41.94 ID: ID:ca6xtent0.net BE:902666507-2BP(1500) 水素があれば「ロシア依存」から抜け出せる…欧州が着々と進める次世代エネルギー戦略のしたたかさ 次世代エネルギーの一つとして、水素の利用に世界的な注目が集まって久しい。 水素を燃料として使う場合、その最大のメリットは、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)を排出しないことにある。水素を燃やしても、生じるのは水である。そのため、いわゆる脱炭素化の観点から、水素は極めて有望なエネルギーとなるわけだ。 したがって、脱炭素化で世界をリードしようと腐心するEUにとっては、水素の利用の推進もまた重要な政策的課題となっている。 水素は「二次エネルギー」(利用のために加工の過程が必要なエネルギー)であり、基本的に水を電気で分解することで生産される。そのための電気を再エネで賄えば、実にグリーンな水素が出来上がる。 周知のとおりEUは、脱炭素化の観点から再エネによる発電を重視している。再エネによって発電を行い、その電力で水を分解して水素を生産できるなら、脱炭素化という観点からは極めて理想的な電力の発電から消費への流れが構築される。 そのためEUは、あくまで再エネによって発電した電力による水素の生産を、普及の基本に据えている。 加えてEUの場合、ロシア産の化石燃料に対する依存の軽減、つまり「脱ロシア化」を図ろうとしていることも、水素の利用に向けた動きに弾みをつけたといっていいだろう。 金融・経済制裁に反発するロシアがヨーロッパ向けの天然ガスの供給を絞り込んだことは、かえってEUの脱ロシア化に向けた意思を強固なものにしたと考えられる。 特にロシアに対する依存度が高かった天然ガスに関しては、米国などからの液化天然ガス(LNG)輸入の増加に加えて、地中海・西アフリカでのガス田開発といった試みが進む模様である。 また天然ガスに代わるエネルギー源も必要となるが、脱炭素化の理念にも適う水素は、EUにとってはまさに打ってつけの次世代エネルギーということになる。 脱炭素化と脱ロシア化の両立を図りたいEUにとって、水素の利用は確かに有効な戦術になりえるのかもしれない。 その水素の利用に向けた実証実験が、アドリア海の沿岸で始まることになった。 以下略…