高齢者になると、家族から運転免許の自主返納を促されることがあるでしょう。昨今、高齢者の運転は危険だという風潮が広がっているからです。 本当にそうなのでしょうか。あまり知られていないのですが、「65歳以上の高齢者による車の事故率が、他の世代に比べて特別高い」というデータは、今のところ出てきていません。 このように、高齢になったからといって、即座に免許を返納する必要はないと私は思います。特に地方在住の高齢者(特に男性)は、運転免許を取得していて、自分で車を運転して行きたいところに行けるということが、1つのアイデンティティー(自分の存在証明)と考える方も多いと思います。 これまで外出の際に車を運転していた人は、免許を返納してしまうと外出の機会が極端に減ってしまうため、活動範囲が極端に狭まります。その結果、交友範囲が狭くなったり、運動量が減ったりして、数年のうちに介護が必要になったり、認知症になったりしてしまう人が少なくないのです。…