茨城県神栖市の太平洋沿いを走る「波崎シーサイド道路」は1970年、鹿島臨海工業地帯の開発に向けて茨城県が施工した。 茨城県警神栖警察署によると、無料で通れて信号がなくスピードが出せることから「弾丸道路」と呼ばれていた時代もあったとのこと。銚子方面から鹿島工業団地にクルマ通勤する人にとっても理想的な通勤ルートだった。 11月8日午後4時50分頃。その波崎シーサイド道路でとんでもない事件が起きた。 実はこの道路、一部が私有地となっており、通行するには途方もなく高額な「通行料」を支払わないといけない。その額はなんと「4万円」! 通行するのに500円支払えばよかった時代も長くあったが、諸事情によりその後、1万円→3万円→4万円と値上がりをして現在に至る。 近所ではトラブル発生の場所として有名な場所であり、これまでもたびたび、通報によってパトカーが急行してきた場所でもある。 このたびの事件で被害を受けたのは43歳の会社役員だ。 おびただしい数の進入禁止看板を無視して私有地に入ったところ地権者に通行料4万円を請求された。 しかし、通行料を支払う意思を見せず、地権者と口論になってしまった。 そして地権者である70歳男性はその会社役員に向かってクルマを急発進。丸腰の会社役員はぶつけられて転倒し、全治2か月の重傷を負った。 神栖警察署の担当者は以下のように明かす。 「会社役員の男性が何を目的に私有地に進入したかは不明ですが、請求された4万円を払わないことに地権者が怒り、立ちはだかる会社役員めがけてクルマを急発進させました」 「会社役員はひとりだったこともあり、警察には被害者自身が通報しています。結果的に骨折していたことがわかり全治2か月という診断を受けましたが、その場で意識がなくなるようなケガではなかったのでしょう」 事件発生から約1か月が経過した12月5日。神栖警察署は地権者の男性を「傷害罪」で逮捕した。 茨城県神栖市の太平洋沿いを走る波崎シーサイド道路。海岸沿いには風車(風力発電機)が設置されており、有名映画の撮影がおこなわれたこともある。そんな波崎シーサイド道路は一部が「私有地」となっており、私有地の手前には絶景に似合わぬ看板が設置されている。…