百年の恋も冷めた瞬間! 77年目 528: おさかなくわえた名無しさん 2009/02/11(水) 07:54:31 ID:OaP+pPql 長文 私はカニ好きだけど、彼も私も貧乏だからめったに食べられず、とても特別な物だった。 彼のお父さんはお金持ちで、彼の家で後日カニパーティーをやるからと招待された。 ところが待ちに待った当日、熱を出してしまいキャンセル しょんぼりしながら寝ていたら、彼カニを持って来てくれた。 彼は30分離れた隣町に住んでいて わざわざ夕飯を抜け出して、私の為にカニを剥いて届けてくれた優しさに涙が出た。 今まで食べた中で一番大きなおいしいカニと彼の笑顔、最高 私は一生彼に付いて行こうと決め、同棲を初めた。 相変わらず貧乏な生活の中、彼はいつも私を喜ばせようとしてくれた。 毎日とても幸せだった。 ある日、今日は奮発してカニを食べようと言う事になり、大喜びで出掛けた。 カニ専門店に付き、5000円くらいのセットをそれぞれ頼み、 ちょっと興奮気味で、小躍りしそうなほど笑いながら待って やっとテーブルにカニが運ばれて来た。 細かった 焼きカニ用もお寿司のカニもみんな、笑ってしまうくらい細かった。 殻付きで小指くらいしかないカニで、普通は汁物用だよね、みたいなカニだった。 でも彼の気持ちを考えたら、突っ込めないし笑えなかった。 彼もそうだったのだろう、二人で妙な笑顔を作りながら食べた。 これで5000円なのか、と嫌な気分もあったのに笑って食べた。 あまり味も良くなかったのに言えなかった。 このいたたまれない空気で、彼への気持ちも冷めてしまった。…