1:鬼瓦権蔵 ★:2022/05/07(土) 11:35:20 全文 低速で走り続けるのも違反ってホント? 1車線の道路を法定速度よりかなり遅いスピードで走り続けるクルマに遭遇することがありますが、抜くに抜けず、イライラすることがあります。 極低速で道を塞ぐように走る「逆あおり運転」ともいえる危険な行為ともいえ、わざと遅い速度で走り続けている行為は「追いつかれた車両の義務違反」という違反に当たる可能性があるのです。 2020年6月30日にあおり運転を取り締まる「妨害運転罪」が創設され、違反が1回でも免許取消処分となり、最長5年の懲役刑や罰金など厳しい罰則が科されることになりました。 あおり運転は後方から急接近してくることを指しますが、逆あおり運転はその逆で、前方を故意に低速で走行するなどスムーズな走行の妨げになる運転を指します。 そして逆あおり運転にも通じる、法定速度に満たない低速で走り続ける行為で問題になるのが「追いつかれた車両の義務」と呼ばれるものです。 これは道路交通法第27条で定められており、要約するとふたつの義務が定められています。 ひとつ目は「法定速度内で追いつかれた(遅い)車両は、後方からの車両が追い越しを終了するまで加速してはいけない」です。 ノロノロ運転のクルマを後続車が抜かそうとするときは、スムーズに追い越しさせるということです。 もうひとつは「遅いクルマが追いつかれた場合で道幅が十分でない場合は、左側に寄って(追い越しできるスペースを作り)進路を譲る」というものです。 後続車がウインカーを出して追い越ししようとしているのに、右側に寄せたり車線変更したりして進路を妨げてはいけないということになります。 これは、道路交通法第1条に明記されている「道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資すること」という目的を達成するために定められています。 つまり、スムーズな交通の妨げになることから遅すぎる走行をしてはいけないということになり、当人は安全運転のつもりでも、周囲の交通の流れを遅延させるような速度で走ると「追いつかれた車両」になってしまう可能性があります。 「追いつかれた車両の義務違反」は意外と罰則!? 追いつかれた車両の義務違反は軽微な処分で済むのかと思いきや、意外と厳罰のようです。 まずは違反点数が1点加算され、さらに反則金(罰金)は普通車の場合は6000円が科されます。 また、走行している車線によっては、別の違反が加算される可能性もあります。 高速道路の追越車線を走行し続けると「車両通行帯違反」(違反点数1点+反則金5000~7000円)、高速道路の最低速度(50km/h)以下で走行していると「最低速度違反」(違反点数1点+反則金6000~7000円)に該当することもありえます。 さらに、妨害目的の通行区分違反や急ブレーキ禁止違反、車間距離不保持など、逆あおり運転とみなされる違反の場合は「妨害運転罪」となり、3年以下の懲役+50万円以下の罰金に。さらに「交通反則通告制度」の対象外となり、いわゆる刑事事件として扱われることになります。 これがエスカレートして後続車の乗員に怪我などがあれば「危険運転致死傷罪」が適用されるケースもあり、負傷させただけでも懲役15年という非常に厳しい罰則となっています。 それでは、自分が追いつかれた車両となってしまった場合は、どのように対処すべきなのでしょうか。 法律的にもマナー的にも追いつかれた車両の義務を果たすためには、安全な場所で左側に寄せて停車し、後続車に追い抜いてもらうのが一番です。 左側に寄せるときに左ウインカーを出すと後続車へ道を譲る合図となり、安心して追い越ししてもらえるでしょう。 一方、自分が走行中に低速走行で進路を妨害するクルマに遭遇してしまった場合の対処法はどうでしょうか。 その場合は無理矢理追い越しせずに、車間距離を十分に取ることが大切です。…