元スレ 全てのレス 1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/16(土) 20:35:38.46 :oFH6VTwXO 『人類全部が地球に住むことは出来ないんだ』 マフティー・ナビーユ・エリン。 反連邦主義のテロ組織の主犯格。 奴の言いたいことはシンプルだ。 『全ての人類は地球から出なければならない』 そんなことは子供でも知っている当たり前のことで、大人たちはその常識を織り込み済みの上で地球に居座り環境破壊を続けている。 『例外なく、全ての人類が』 わかっている。平等であることは美しい。 不平等は歪で、その歪みが我慢ならない。 しかしそんな理想は現実的ではないのだ。 「奴の掲げる主義主張は子供じみている」 「子供の論理って正しいことありますよ」 それもわかっている。穢れを知らない子供は純粋だから、正しいことを平然と口にする。 ギギ・アンダルシア。君だってわかる筈だ。 「世の中、そんなに簡単に動いていない」 「そうね。清廉潔白というわけにはいかない……それをどのように考えるんですか?」 パターンで返すのは簡単だが、やめておく。 どのように考えてるか。思考しているのか。 俺は果たして子供の理想と現実との乖離について考えを巡らせた経験があっただろうか。 目の前に存在するのは現実だけで理想という名の虚構は脳内にしか存在していない事実。 それを俺はどのようなプロセスで認識して、受け入れているのだろうか。考えてみよう。…