元スレ 全てのレス 699:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/10/16(火) 13:39:13.46 :cwVGxon8o 「もー! マジでイミわかんないよー!」 頭の中がこんがらがって、テーブルの上に突っ伏した。 テーブルはひんやりと冷えていて、ほっぺがちょっと気持ち良い。 そのまま体を前後に揺らし、ほっぺがムニムニ動くのを楽しむ。 カリスマJCアイドルのアタシだけど、今は家だから良いよね? 「こーら、行儀悪いよー」 台所の方から、お姉ちゃんがそれを見咎めて声をかけてきた。 バタンと、冷蔵庫が閉まった音。 歩いて来る両手には、麦茶が注がれたコップが二つ。 氷も、仲良く二つずつ。 「だって~……」 アタシがこうなるのも、無理無いってカンジ! 今度発表する、カバー曲――『夏色』。 ジャカジャカ鳴るギターと、ハーモニカの音色がチョーステキな曲。 歌詞の内容も、あっつーい昼間だったり、熱い夜だけど風が気持ち良いとか……。 とにかく! チョー良い曲なの! 「ホラ、お茶飲んで気分転換しな」 お姉ちゃんが、苦笑しながら麦茶を勧めてきた。 さっき入れたばっかりなのに、コップにはもう水滴がついてる。 どんどん増えていく水滴を見続けてると……あっ、垂れた。 「……はーい」 頬にかかった髪をかきあげながら、体を起こす。 冷たいテーブルからちょっと離れたくなかったけど、しょうがない。 氷が溶けて、水っぽくなった麦茶って美味しくないもんね。 せっかくお姉ちゃんが持ってきてくれたんだから。 「……っぷはー、生き返るぅ~!」 冷たい麦茶を飲むと、汗をかいて失った水分が一気に補充された気になる。 ゆだっていた頭も、おかげで、ちょっとスッキリした。 テーブルの正面で、そんなアタシの様子を見ながらお姉ちゃんがクスリと笑った。 Tシャツにハーフパンツのラフな格好なのに、 その笑顔がキマってて、妹のアタシ贔屓目を抜きにしてもカッコイイ。 「ねえ、お姉ちゃん」 だらけていた気持ちを追いやって。 「どうして、ブレーキいっぱい握りしめるの?」 妹から、姉への相談ではなく。 後輩アイドルから、先輩アイドルへとアドバイスを求めた。…