[ 1 ] この状況に球団幹部は「チーム内でも、もちろん議論はあったし、簡単な話ではなかった。日本ハムが『もう抱えきれない』というのなら、日本ハムがオフまで謹慎させて、自由契約になったうえで迎え入れるのが正しいんじゃないかとも考えた」と説明。一刻も早く中田を放出したい日本ハムの要望を、巨人が飲んだという。 中田の年俸3億4000万円(推定)は巨人に引き継がれ、今月20日から11月30日までの日割り分、約1億1500万円が巨人の負担となる。前出の幹部は「日本ハムでの行為の責任を取って、こちらが給与を支払って謹慎させるというのはあり得ない」と強調するが、これはもっともな話。巨人はこうするしかなかった。 反発を呼んでいることの1つに、移籍前に日本ハム側で謝罪会見が行われなかったことがある。巨人の球団事務所で暴力行為の謝罪と移籍会見が同時に行われる、異様な事態となった。 巨人OB会長でもある中畑清氏は、テレビ東京のYouTubeで「ジャイアンツが手を挙げてくれました、よかったね! チャンチャン…ということではないと思うんだよ」「トレードする前に監督や球団が中田を交えて『世間を騒がせて申し訳ない』と謝罪会見なり、説明をするべきだった。(日本ハムは)ちゃんとした手順を踏んでけじめをつけるべきだった」とファンの声を代弁した。 別の巨人球団関係者は「どう考えてもあちらで謝罪会見をして、こちらでは入団会見だけをするのが筋でしょう。でも、日本ハムが『こちらでは会見させない』と頑なだった」と裏事情を明かす。本来なら華やかな入団会見時に、後ろの壁に巨人の球団旗を掲げなかったのは、あくまで日本ハムでの不始末を謝罪していることを強調していたからだった。 巨人は商談相手の失策に振り回され世間の批判を押し付けられ、火の粉を被った形。日本ハムは高給取りのベテラン選手を体よく厄介払い。だが、応援し続けた主砲との惜別の機会を奪われたファンの気持ちと、道理を置き去りにしたしっぺ返しがあるはずだ。…