1 : 「精神分析において、ぬいぐるみは〈移行対象〉と呼ばれます」 そう解説するのは、精神科医の片田珠美氏。 「イギリスの精神分析家ウィニコットが提唱した概念で、乳幼児が肌身離さず持ち歩くタオルや人形などを指します。母親との分離不安が生じる時期に、子供が“自分は母親とは別の存在である”という現実を受け入れる過程の、橋渡しのような役割を果たします。通常は成長とともに忘れ去られていくものです」(同) では「ぬい活」に当てはめるとどうか。 「大人がぬいぐるみに執着するのは精神的な幼児化の表れといえます。根底にあるのは、強い孤独感。一緒に旅行に行くパートナーや子供がいれば、ぬいぐるみを連れていく必要はありません。現実の孤独を直視しないで済むように、代償的満足を求めてぬいぐるみを連れて歩くのです」(同) また、ぬいぐるみの写真を投稿するのも特徴だが、 「承認欲求の根底にあるのは〈自己愛〉。SNSの普及に伴い、自己愛を肥大化させた人が自己アピールを発信していますが、そこで問われるのが想像力です。自分の投稿や発言がどのような影響を与えるか想像力を働かせられないと、炎上を引き起こしてしまいます」(同)…