
故山崎元氏(経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員)は、個人投資家向けにビットコインや暗号資産(仮想通貨)への投資について、慎重な姿勢を示す発言をしていました。彼の投資哲学は、合理的かつ論理的なアプローチに基づいており、リスク管理と長期的な資産形成を重視していました。以下に、山崎氏の発言や考え方を基に、ビットコイン投資に関する彼の見解をまとめます。1. ビットコインの投機的性格への警鐘 山崎氏は、ビットコインを含む暗号資産が価格の急騰や急落を繰り返す投機的な資産であると指摘していました。たとえば、2021年の記事で、ビットコインがテスラの投資発表を受けて大きく値上がりした時期に、こうした価格変動は中央銀行の金融緩和や経済政策の影響によるもので、短期的な値動きに飛びつくのは危険だと示唆していました。 彼は、個人投資家がビットコインの値動きに惑わされず、その本質的なリスクを理解する必要があると強調していました。2. 本質的価値の欠如 山崎氏は、ビットコインには株式や債券のような裏付けとなるキャッシュフローや経済的価値が明確でないと考えていました。彼の投資哲学では、資産の価値は論理的に評価可能であるべきであり、ビットコインのような価格が主に市場の需給や心理で決まる資産は、個人投資家にとってリスクが高いとしていました。3. 「ほったらかし投資」との整合性の欠如 山崎氏は「ほったらかし投資」(インデックスファンドを用いた長期分散投資)の提唱者として知られ、個人投資家には低コストでリスクを分散させた投資を推奨していました。 ビットコインは価格のボラティリティが高く、長期的な安定性や予測可能性が低いため、彼の推奨する投資手法にはそぐわない資産と見なしていた可能性があります。ビットコインへの投資は、彼の「シンプルで論理的な投資」の原則から外れると捉えていたと考えられます。4. 個人投資家へのアドバイス:リスク管理と冷静な判断 山崎氏は、個人投資家がビットコインに投資する場合、以下のような点を考慮すべきだと間接的に示していました: - リスク許容度の確認:ビットコインの価格変動は極めて大きいため、失っても生活に影響のない範囲での投資に留めるべき。 - 情報選別の重要性:ビットコインに関する過剰な楽観論や誇張された情報に惑わされないよう、自身の頭で論理的に判断すること。 - 他人を盲目的に信用しない:特に、SNSやネット上で山崎氏を装った詐欺的な投資勧誘が問題になった際、彼は「他人を信用せず、自分の頭で考える」ことを強く訴えていました。5. 具体的な発言の例 直接的なビットコインに関する発言は限られていますが、2023年のインデックス投資ナイトでのスピーチでは、投資全般について「論理で結論が出る」「条件を指定すれば答えは一つ」と述べ、短期的なトレンドや投機的な資産に飛びつくことを批判していました。 ビットコインのような資産は、この哲学に照らし合わせると「不確実性が高すぎる」として推奨しなかったと考えられます。 まとめ山崎元氏は、ビットコイン投資について直接的な賛成や反対の強い発言は少ないものの、投機的な性格や本質的価値の欠如を理由に、個人投資家には慎重な姿勢を求めていたと推測されます。彼の提唱する「ほったらかし投資」の枠組みでは、ビットコインは推奨される資産ではなく、むしろ低コストのインデックスファンド(例:eMAXIS Slim 全世界株式)や個人向け国債のような安定資産を選ぶべきだとしていました。 個人投資家に対しては、ビットコインのリスクを十分に理解し、自身のリスク許容度内で少額に留めるべきとの立場だったと考えられます。…