
1 法務省の「少年矯正統計」によると、2025年に少年院に新たに収容された少年(新収容者等)は2044人で、前年から216人増えた。 犯罪白書によると、少年院への入院者は、2000年の6052人をピークに減少傾向が続いてきた。2019年からは最少を更新し続け、2022年には1332人まで落ち込んだ。 ところが、2023年から増加に転じ、3年連続で前年を上回った。2026年も1~6月の半年間で、新たに1038人が収容されている。 ●少年院は減少、1施設あたりの収容人数は増加 なぜ少年院に入る「子ども」が増えている?過去最低から一転、元少年院長らが指摘する「コロナ禍」の傷あと 少年院に入る子どもが増え始める一方で、受け入れる施設は減り続けている。 少年矯正統計によると、収容実績のある少年院は2006年の53施設から、2025年には42施設に減少。約20年間で11施設が姿を消した。 1施設あたりの1日の平均収容人数も減少傾向にあったが、2022年の28.5人を底に反転し、2025年は44.3人まで増えている。 2 ●刑法犯少年の検挙も2022年から4年連続で増加 なぜ少年院に入る「子ども」が増えている?過去最低から一転、元少年院長らが指摘する「コロナ禍」の傷あと 少年院の収容者数と似た動きを見せているのが、捜査機関に検挙された少年の数だ。 警察庁のまとめによると、「刑法犯」少年の検挙人員は、2021年に戦後最少となる1万4818人まで減ったが、その後は4年連続で増加。2025年には2万4416人となった。 罪種別にみると、窃盗犯(2025年は1万2727人)や粗暴犯(同4589人)で増加幅が大きい。風俗犯(同1354人)では、2023年7月に施行された「性的姿態撮影等処罰法」違反が718人と、過半数を占めている。 また、「特別法犯」に含まれる大麻事犯で検挙された少年は、2025年に1373人(前年比245人増)に上った。ただし、2024年12月に大麻の使用を処罰する規定が施行された影響も考えられるため、それ以前の数字と単純に比較することは難しい。 少年院の中では何が起きているのか。 ある少年院で働く職員は、近年の変化について、こう話す。 「ここ数年、非行内容の大小に関わらず、対応に配慮が必要な発達障害系統の少年が増えている。社会情勢やSNSの発達に伴って、家庭環境や交友関係が複雑化していて、家族への指導や帰住先の調整も含めて、現場職員の負担が増大している」 少年院では、少年ごとに年齢や障害、犯罪傾向の程度などに応じて、教育の内容や期間を定める「矯正教育課程」が指定される。 このうち、知的障害や発達障害、またはこれらの疑いがある少年などを対象とするのが「支援教育課程」で、N1からN5までの記号が付けられている。 少年矯正統計によると、支援教育課程に指定された新収容者は、2016年には448人で、全体の17.5%だった。それが2025年には775人、37.9%まで上昇している。 10年足らずで、割合は2倍以上になったことになる。現場職員が語る変化は、統計にも現れている。 ただし、知的障害や発達障害そのものが、直接的に非行の原因になるわけではないことには注意が必要だ。 4 ムショガキ 9 叱らないから仕方ない 話して分かるなら苦労しない…