1 名前:少考さん ★:2026/08/09(日) 20:14:06.14 ID:/FoFT1V79.net ※AERA DIGITAL 2026/08/09/ 16:00 北原みのり 作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は日本と戦後と総理大臣について。 * * * 「私自身は当事者とはいえない世代ですから、反省なんかしておりませんし、反省を求められるいわれもない」 若かった高市早苗首相の国会答弁だ。1995年、戦後処理や歴史教育のあり方を巡る議論の中での発言で、高市さんは新進党の議員だった。当時の総理大臣は村山富市氏、71歳。34歳の高市さんが“世代”を持ち出して「(日本軍の加害について)反省を求められるいわれもない」と言い放った姿の動画が今、SNSで改めて再生されている。“世代”を持ち出し嘲笑するような笑みを口元に浮かべていて、なかなかインパクトのある映像だ。 ぽっと出の若手新人議員だった高市さんのこの発言は、メディアで大きく取り上げられることはなかったが、戦争体験者が多くを占めていた当時の国会においては、やはり幼稚で雑な発言に映ったのではないか。そしてそんな高市さんのような政治家が、30年後に総理大臣になってしまったということは、やはり、危機を感じるべき事態なのだろう。歴史から学ばず反省のない国は滅びる、というのは、人類の定説ですから。 今年もまた8月15日がやってくる。敗戦の日。そしてアジア諸国にとっては解放の日として記憶され続けている。思い返せば私が子どもの頃、この季節になると祖父母は私に戦争の話をしてくれた。隣組の恐ろしさ、東京大空襲の夜の明るさ、空襲後の焼け野原の景色……それらの語りは私の祖父が2人とも戦地に行っていないからこそだったのだろうと、今になって思う。もし彼らが戦争に行っていたらきっと、戦争の話は家族の中ではタブーになっていたはずだ。戦地で何をしたのか、何を見てきたのかを家族に語ることができた旧日本軍人は圧倒的に少数だった。そもそも多くの日本人は、戦地のことを父親には聞かなかった、聞けなかった。 先日、中国で旧日本陸軍731部隊展示施設の資料館を訪ねた。 中国東北部のハルビン市平房区にある旧日本陸軍731部隊の施設跡だ。731部隊はここで細菌兵器の人体実験をしていた。敗戦目前に、731部隊は建物を爆破し証拠隠滅を試みたが、遺構からは使用されていた実験道具が無数に発掘された。資料館には顕微鏡や、ペスト菌を増殖させるためのマウスのカゴ、人体の一部をホルマリン漬けしていた大きなビーカーなどが並んでいる。人間を「マルタ(丸太)」と呼び拘束し、ペスト菌を感染させた方法や、凍傷の人体実験をした様子が模型で表現されている。それらの事実を明らかにしたのは、戦後長い時間を経て語り出した731部隊の旧日本軍人の証言だ。 2015年に新設された資料館は、ブラックボックスに見立てた黒い巨大建築物で、煙が出ることのない3本の煙突が突き刺さるようにそびえ立っている。731部隊にいた少年兵を含む全ての隊員には、戦後厳しい箝口令が敷かれた。部隊の仲間で連絡を取り合うことも禁止され、旧満州で何をしてきたのか誰にも何も語らずに一生を終えた人も多い。そんな731部隊を象徴する黒い箱。夏休みだということもあり、館内には子どもたちや10代の若者たちも多くいた。90代の男性が孫と思われるような若い男性の手を借りながら、真剣に展示物を一つひとつ見ていた。 印象的だったのは、展示方法が極めて抑制的だったことだ。重要なのは事実を残すことと死者への鎮魂であることだと伝わるもので、残虐性をリアルに表現するような作り込まれた展示物はあまりない。むしろ当時の姿のままに置かれているネズミを繁殖させた小屋や実験用小動物の飼育小屋など、私は見ることができずに足早に通り過ぎてしまったが、資料館自体は鎮魂の静けさに満ちていた。 資料館を出るときには、人体実験の被害にあったと考えられる約3000人の名前が記されている通路を通る。年齢はわからないが女性の名前も多くあった。731部隊は妊婦のおなかから胎児を取り出しホルマリンに漬け、女性は梅毒に感染させるなどの実験をしていたことも旧日本軍人によって報告されている。 近年、仕事の関係上、中国に行くことが増えている。 (中略) 終戦から81年。反省しない総理大臣のおかげで、戦後最もきな臭い8月15日になりそうだ。 ※全文はソースで 引用元:…