
1: 蚤の市 ★ Hs8yOImJ9 2026-07-03 15:45:33 政府が皇室典範改正案を閣議決定し、国会に提出した。衆参両院の正副議長が与野党の代表者を集めた会議を重ねて「立法府の総意」をまとめ、それを元に政府が作成したものだが、総意からの逸脱は明らかだ。 今回の議論は、皇位継承のあり方には踏み込まず、「皇族数を確保する方策」だけを決めるはずだった。だが、法案には、総意では示されなかった男系男子に傾斜した項目が盛り込まれた。養子の子が男性なら皇位継承資格を有するとした規定などだ。将来の女性・女系天皇への道を事実上封じようとする内容だ。 野党から「だまし討ちだ」との批判が出るのも当然である。もともと、全13党派中、参院野党第1党の立憲民主党を含む6党派が慎重・反対の立場を示すなど、総意と言えるか疑わしかったものが、一層総意からかけ離れた姿になってしまった。 立法府の総意の名に値しないだけではない。「国民の総意」にもそぐわない。世論はむしろ、女性・女系天皇を望む声こそ高まっている。 憲法で日本国と日本国民統合の象徴とされた天皇を巡る議論では、政争を避け、熟議を尽くす必要がある。上皇さまの天皇退位をめぐり、当時の大島理森衆院議長が「静謐(せいひつ)な環境のもと節度ある真摯(しんし)な議論」を与野党に求めたのは、そのためだ。 森英介衆院議長は、養子に男の子が生まれれば皇位継承権を持つと、総意のとりまとめ案にはなかった見解を述べるなど、自ら「静謐な環境」を害している。 自民党の中曽根弘文・憲法改正実現本部長の講演での発言も看過できない。 天皇、皇后両陛下の長女愛子さまによる皇位継承は「あり得ない」とし、「天皇になったら結婚する人もいない」とも述べた。女性天皇への道を開くことを、そこまで忌避するのか。男尊女卑、女性蔑視的な考えを公然と示す神経を疑う。 閣議決定直前、養子の対象年齢をめぐる規定に、日本維新の会が異論を唱えた。与党内の不協和音は、「総意」が虚構だった証左ともいえる。相次ぐドタバタ劇の中で、詰めるべき論点が次々と浮かび上がってきている。 森議長は1日、与野党の幹部に対し、皇室典範改正案の今国会成立を最優先してほしいと伝えた。だが、このまま強行すれば、天皇制のあり方だけでなく、議会政治の歴史にも大きな禍根を残すことは間違いない。国民の総意とも立法府の総意ともかけ離れた暴走は許されない。 朝日新聞 2026年7月2日 5時00分…