1 名前:ごまカンパチ ★:2025/06/26(木) 21:16:07.65 ID:opbdKi2k9.net     農林水産省は、2024年の日本の「漁業・養殖業生産量」は363万4800トンだったと発表しました。  昨年に続き、同じ形で統計を取り始めた1956年からの比較で過去最低を更新。  世界全体では毎年過去最高の生産量を記録しているのとはまったく対照的で、日本では大半の魚種の漁獲量が減り続ける「異常」な状態が続いています。    もちろん消費者への影響も大きくなっています。  外食産業では、供給量が減り仕入れ価格が上がっています。  さらに大きくて価値がある魚が減っているため、価値が低い魚を高く仕入れねばならないという構造になってきています。  このため水産物の供給に対して危機感を抱いているケースが少なくありません。  メニュー価格も当然高くなっていきます。    量販店などでも同様です。  このままでは扱う魚種がさらに少なくなり、かつ高くなっていくことでしょう。  未利用魚の活用も試みられていますが、もともとは個々の資源量が少ないため、あまり流通してこなかったという背景があります。  このためあまり供給面で期待はできません。  また成魚になれば価値がでる幼魚を未利用魚として扱うケースは「成長乱獲」にほかなりません。  小さな魚は、言うまでもなく獲らずに大きくなってから漁獲したほうが、経済・資源の両面でよいのです。    ■変わってしまう寿司ネタ  この写真はフィンランドのヘルシンキ空港で食べたお寿司です。  養殖物のアトランティックサーモンと養殖エビ。アボカドの海苔巻きといった中身です。  また、次の写真はデンマークのコペンハーゲンで食べたお寿司です。  中身は上とほぼ同じで、ほぼ天然物は使用されておらずイクラは養殖トラウトから取り出しています。  天然のネタは、解凍されたキハダマグロとホタテぐらいしか使われていませんでした。    日本の寿司店では、「旬の魚」や「本日のおすすめ」といったお品書きが目に止まります。  しかし欧州の寿司メニューでは、その日に仕入れた普段食べていない鮮魚がでてくる楽しみはほぼありません。  このままでは将来的に日本の寿司の姿も変わってしまう可能性があります。    世界では日本食ブームが続いており、また人口増加もあり水産物需要は今後も増えていきます。  養殖の水産物の増加がなければ供給は足りません。  そこで日本で魚が獲れなくなった分は養殖で補えばよいという考え方があるかもしれません。  しかしながら世界全体の需要が増えているので、天然魚だけでなく、養殖物も年々思うように買えなくなっていきます。  世界の水産物は、凸凹はあっても需給バランスから中長期的には確実に上がっていきます。  それでは食べたい魚を食べ続けるにはどうすればよいのでしょうか?    ■魚が減り続ける日本の異常さ  国は水産基本計画を2022年に作成し、2030年までに漁獲量を444万トンに回復する方針です。  ところが回復どころか毎年減少が続いています。  世界で447万㎢と第6位のEEZ(排他的経済水域)を持ち、1970年代から80年代にかけて約20年間世界最大の漁獲量を誇っていた日本。  しかしながら毎年減少が続き、2021年にはEEZが日本の約半分(239万㎢)のノルウェーに生産量(漁業と養殖)で抜かれ、  さらに同10分の1(48万㎢)の韓国にさえ抜かれてしまいそうな日本。  次のデータを見れば、ノルウェーや韓国が微増傾向であるのに対し、日本が一方的に順位を落としている格好になっています。    国際的な視点から俯瞰すれば、その根本原因は明らかに科学的根拠に基づく資源管理制度の不備にあります。  国は国際的に見て遜色がない資源管理システムの導入を目指しています。  しかし海外の成功例と比較して明らかに誤っているやり方で衰退が続いていても、資源管理に関して、社会に正しい情報がほとんど伝えられてきませんでした。  このため日本人の資源管理に関する意識もかなり世界とずれてしまっています。このため改善は足踏み状態です。    ■稚魚(種苗)放流で資源が回復するという誤解  ※略     引用元:…