1 : 「地上の楽園」と宣伝された北朝鮮への帰還事業に応じ、過酷な生活を強いられたとして、脱北者ら4人が北朝鮮政府に計4億円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し審で、東京地裁は26日、計8800万円の賠償を命じる判決を言い渡した。神野泰一裁判長は「原告は北朝鮮に人生の大半を奪われたと言っても過言ではなく、精神的、肉体的苦痛は甚大だ」と述べた。 原告弁護団によると、帰還事業を巡って北朝鮮政府の責任を認める司法判断は初めて。 判決によると、日本と北朝鮮の両赤十字は1959年に結んだ協定に基づき、帰還を希望する在日朝鮮人らを北朝鮮へ渡航させる事業を84年まで続けた。原告らは、北朝鮮政府などから「北朝鮮は衣食住が保障された地上の楽園」などと勧誘され、60~72年に渡航。だが現地では、飢餓で餓死者が相次ぐなどの劣悪な環境での生活を強いられ、2001~03年に脱北した。 判決は「北朝鮮政府が事実とかけ離れた呼びかけを行い、事業を推進した」と指摘。「北朝鮮から出国することを許さず、居住地選択の自由を侵害した」として不法行為の成立を認め、原告1人あたり2200万円の賠償を命じた。 北朝鮮政府はこれまでの審理に一度も出廷せず、主張書面も提出していない。…