『集中力が高まる自己啓発テープ』を毎日聴き続けた結果 → 精神病を発症 障害者手帳をやっと手にした44歳男性の紆余曲折「TOEIC975点」資格は多数だが、メンタルは悪化(中略) ・数十万円するカセットテープで成績はアップ…そもそもユズルさんが精神疾患を発症したきっかけはなんだったのか。あらためて時系列で振り返ってみる。 ユズルさんの子ども時代、学校の勉強はよくできた。共働きの両親はとりたてて教育熱心というわけではなかったが、 進学した私立高校では成績優秀だったことから学費は全額免除。特別進学コースにクラス分けされ、国立大学を目指していたという。 ところが、あるとき成績が落ち、担任から「第一希望の大学は厳しい」と言われてしまう。 そこでユズルさんが頼ったのが集中力や記憶力が高まるとうたう、いわゆる自己啓発本だった。 数十万円するカセットテープのセットも「親に頼み込んで買ってもらいました」。 テープを聞き始めると、効果は2つの面で即座に現れた。成績はアップ。再び志望校の合格圏内に戻ることができた。一方で夜眠ることができなくなった。 正確には数時間は眠るものの、その間も脳が覚醒しているようでまったく休めた気がしなかったという。 「テープは呼吸法や瞑想(めいそう)法を教えるといった内容で、それを1日1時間ほど聞いていただけです。 でも、それ以来、英単語や参考書の文字を見ただけで脳が異常に興奮するというか、情報に過敏に反応するようになってしまったんです」 不眠状態が4カ月ほど続いたところで、初めて精神科を受診。それでも症状は改善せず、思考や注意力の低下もみられるようになったため入院をすることになった。 病院ではさまざまな薬物を投与され、一時は集中力が続かず中学生レベルの問題も解けなくなったり、歩くのもままならない状態に陥ったりしたという。 (以下略)…