1 名前:ごまカンパチ ★:2025/06/17(火) 19:36:51.05 ID:Tr8nGQmY9.net 欧州でアルコール規制の議論が進んでいる。 背景にあるのは、アルコール摂取の体へのダメージの大きさ。 日本でも年間約3万5000人がアルコール関連で死亡しており、これは交通事故死の約10倍に相当する。 医師の谷本哲也さんは「最新の世界的な大規模研究によれば、健康への最適なアルコール摂取量は“ゼロ”。 赤ワインが健康にいい、という昔の説も科学的にはほぼ否定されている」という――。 【図表をみる】大量飲酒が引き起こす臓器の障害 ■欧州のアルコール規制本格化と日本の現状 2025年5月、ヨーロッパで医学会を中心とした「アルコール健康同盟」が発足しました。 世界最大のアルコール消費地域のヨーロッパでは、年間80万人がアルコール関連で死亡するという現実を受けて、 医療従事者がアルコール規制政策の最前線に立ったということす。 医学的な観点からアルコール消費を抑えるために、酒税の増税などの議論が進んでいます。 翻って日本を見ると、2026年のビール系飲料税率統一を「改正」と位置づけていますが、これは健康政策というより業界の利害調整という側面が強いようです。 ※略 世界保健機関(WHO)が「アルコールに安全な量はない」と見解を示している現在、日本の酒税制度は単なる税金の問題ではなく、健康への影響も考慮したものになる必要があります。 つまり、筆者は決して増税賛成派ではありませんが、アルコールに関しては健康促進のため、もっと税額を上げたほうがいいのです。 ところが、現在の税率は健康に直結するアルコール量とは関係なく、酒類の種類別に税率が設定されており、健康への影響が考慮されていないようです。 税金がビール350mlに54円、清酒同量に35円という設定をみても、明確な医学的裏付けを見つけるのは困難です。 愛飲家の読者には耳が痛い話、懐の痛む話かもしれませんが、以下で述べるアルコールが体に与えるダメージは想像以上に大きいという最新の科学的事実を確認してほしいです。 これは大げさではなく読者の方の人生に関わることであり、日々、アルコール由来の病気に苦しむ患者を多く診ているひとりの医師としてのお願いでもあります。 ■アルコールによる発がんなどの医学的影響 医学的観点から見ると、アルコールの健康被害は想像以上に深刻です。 国際的な研究により、アルコールは明確な発がん性物質として分類され、口腔がん、食道がん、肝臓がん、乳がん、大腸がんなど 少なくとも7種類以上のがんリスクを高めることが確認されています。 ※略 さらに日本人では、人口の約44%がアルコール代謝酵素の活性が低く、アルコールの分解能力が劣っています。 これらの人々は少量の飲酒でも顔面紅潮、頭痛、吐き気を示し、食道がんリスクが通常の10倍以上に増加することが知られています。 さらに日本の統計によれば、アルコール性肝疾患による死亡者数は年間約4000人、アルコール依存症患者は推定80万~100万人とされ、 飲酒による社会経済損失は年間約4兆円と試算されています。 ※略 日本では年間3万5000人がアルコール関連で死亡しているという推計(厚生労働省研究班)もあり、これは交通事故死の約10倍に相当します。 世界的な大規模研究(195カ国・2800万人対象)では、健康への最適なアルコール摂取量は「ゼロ」であり、 少量飲酒の心血管保護効果は他の健康リスクによって相殺されることが明らかになっています。 赤ワインが健康にいい、という昔の説は科学的にはほぼ否定されているわけです。 ■脳への影響と依存メカニズム 脳にもよくありません。 脳科学研究により、アルコールは脳の報酬系を直接刺激し、継続的摂取により耐性が形成されることが明らかになっています。 特に重要なのは、アルコールが前頭前野の機能を低下させることです。 この脳領域は意思決定や衝動制御を司っており、その機能低下により飲酒のコントロールが困難になり、アルコール性認知症になりやすいとの指摘もあります。 脳の画像を解析した研究では、慢性的な大量飲酒者の脳で灰白質の萎縮と白質の損傷が観察され、これらの変化は部分的にしか回復しないことが知られています。 青少年期の脳は特にアルコールの悪影響を受けやすく、25歳頃まで続く脳の発達期間中の摂取は長期的な認知機能障害のリスクを高めます。 ※略 引用元:…