1: 煮卵 ★ 2025/04/29(火) 12:39:31.78 ID:6xVHLNyu9 オスが卵を背負って孵化まで世話をする珍しい昆虫「コオイムシ」。昆虫界の「イクメン」とも呼ばれてきたが、この一見献身的な行動の背後に、驚くべき繁殖戦略が隠されていることが分かった。長崎大学、広島修道大学、信州大学の研究グループの成果は、4月24日に国際誌『Ecology and Evolution』で公開された。 ■「イクメン」の裏にしたたかな繁殖戦略 コオイムシのオスが背負っている「卵」。…これは全て自分の仔なのか?研究グループは、DNA分析による親子判定によって、以下のことを明らかにした。 1.オスは複数のメスの卵を背負っている 2.約35%の卵が「自分の仔ではない」 3.卵の世話をしないオスがいる ■極めて激しい乱婚型 研究チームは、個体識別した20ペアのコオイムシを約1ヶ月間、飼育ケースで自由交配させ、幼虫と親個体のDNA情報に基づく親子判定を実施した。 その結果、多くのオスとメスが複数の相手と交配しており、極めて激しい乱婚型の繁殖様式であることが明らかになった。 オスの父性(仔との血縁関係の度合い)の平均は約65%。個体によって10%~100%と大きなばらつきが確認された。 ■なんで「よその子」まで? コオイムシのオスは、ときに100個を超える卵を背負う。卵塊を背負うと飛翔能力が落ち、捕食されるリスクが高まり、命をも脅かされる。 よって父育行動は「自分の仔である確信」がある状況でのみ進化すると考えられてきた。しかし、コオイムシが育てる卵の血縁関係は平均65%に留まっており、約35%は「よその仔」であることがわかったというのだ。 危険を冒してまで、なぜ「よその仔」を背負うのか?そこにはコオイムシ独自の、命を懸けた"モテ戦略"が隠されていた。 ■「イクメン」がモテる 実験では「より多くの卵を保護したオス」が自分の子孫を多く残していた。モテるためにこぞって「よその仔」も育てている可能性、「イクメン」行動そのものがメスにモテる条件となっている可能性が示唆される 研究チームは「高い父性(血縁度)が父育行動の進化に不可欠だとする定説に一石を投じる成果」としている。 ■仔育てしないオスも 研究では、交尾後に「父育を一切行わないオス」の存在も確認された。鳥類で知られる「托卵」のような戦略をとるオスが存在する可能性も示唆される。 ■オスが死んでも…メスのしたたかさ 今回の研究では、メスが「複数のオス」の背中に分散して採卵していることも確認された。オスが死亡する可能性を踏まえ、卵の全滅を防ぐためのメス側の戦略と考えられている。 したかかで豊かな昆虫の繁殖戦略。研究チームは今後、父育をおこなう他の生き物、「オオサンショウウオ」や「ヤスデ類」の検証も行い、父育行動の進化的背景の理解を進めていくとしている。 【研究チーム】 ■広島修道大学 人間環境学部 鈴木智也助教 ■長崎大学 人文社会科学域(教育学系)中等教育講座 理科専攻 大庭伸也准教授 ■信州大学 学術研究院理学系 東城幸治教授 [NBC長崎放送] 2025/4/29(火) 12:02 引用元: ・【最新研究】昆虫界のイクメン「コオイムシ」は"よその仔"も背負っていた 理由はモテたい…(長崎大・広島修道大・信州大) [煮卵★]…