1 名前:ばーど ★:2025/03/28(金) 08:07:37.72 ID:pSGWtT37.net 日本経済研究センターは今後50年の長期経済予測をまとめた。所得水準を示す1人当たりの実質GDP(国内総生産)について、日本は2024年の29位から75年には45位に下がる。世界の中位群に後退する。成長底上げには人工知能(AI)などデジタル技術の活用や雇用慣行の改革が必要と提起した。 日経センターはおおむね5年ごとに独自の長期経済予測を公表している。香港と台湾を含む83カ国・地域を対象とした。今回は中間報告で、今夏にも日本経済の改革シナリオを盛り込んだ最終報告をまとめる。 日本全体の実質GDPは24年の4位(3.5兆ドル)から75年に11位(4.4兆ドル)となる。マイナス成長は回避するものの、71〜75年の平均成長率は0.3%にとどまる。 国別GDPでは、米国と中国が1位と2位を維持し続ける。ともにAIの活用で情報サービスや金融・保険を中心に生産性が上がる。日本は米中よりもこうした産業の厚みがなく、AIによる生産性押し上げ効果は乏しい。 人口動態も独自に推計した結果、1人の女性が生涯のうちに産む子どもの数の平均値を示す合計特殊出生率は、中国は75年に0.8となった。その結果、GDP規模の米中逆転は起きないとの試算になった。 1人当たりGDPについて日本は75年に4万5800ドル(現在の為替換算で約690万円)と24年比で1.6倍となるものの、主要7カ国(G7)では最下位の状態が続く。 75年に韓国は21位となり、およそ7万9200ドルとなった。日本の所得水準はチェコ(27位)、スロベニア(28位)などの中東欧諸国や、ブルネイ(33位)、カザフスタン(36位)、ロシア(42位)なども下回ることになる。 人口減による働き手の減少が経済成長を下押しする。日本の合計特殊出生率は40年代半ばから75年まで1.1となった。過去最低だった23年の1.20を下回る。 日本への流入から流出を差し引いた純移民数は年23万〜24万人程度とする。世界5位の移民受け入れ国となる。それでも75年の総人口はおよそ9700万人まで減る。在留外国人数は1600万人を見込む。外国人の安定的な流入が、成長を維持する最低条件となる。 日本経済の底上げには、デジタル技術の活用による生産性の一段の底上げが欠かせないと提起した。定年制や正規・非正規の待遇格差といった雇用慣行の改革や、教育への公的支出の拡大が労働参加率や生産性の引き上げにつながると訴えた。 世界全体の成長率は生成AIの活用による生産性上昇などで21〜30年は平均3.3%と高まる。その後、主要国の人口減少が重荷となり、71〜75年には1.3%に鈍化する。世界全体の合計特殊出生率は75年に1.7まで落ち込み、人口を維持できる水準を大きく下回る。 地域別では東アジアの人口が6億人以上減り、東南アジア・南アジアも将来は人口減に転じる。アフリカは加速を続け、40年代半ばに東アジアを上回る。 世界のGDPについて、トランプ米大統領が打ち出す政策の影響が長期化すれば米中逆転が起きる余地は残る。米国が26年から年100万人規模の不法移民の強制送還を12年続け、正規移民の入国を厳しくした場合は成長力が落ち込み、49年に中国のGDPが米国を抜くとの見通しになった。 標準シナリオでも新興国の影響力は拡大する。75年のGDP規模はインドが3位、インドネシアが5位になるなどアジアの新興・途上国の存在感が高まる。ブラジルやロシア、インド、中国など有力新興国で構成するBRICSに正式加盟する10カ国合計のGDPは、75年に米国の1.4倍に拡大すると予測する。 日経センターは「米国は単独では対抗できず、G7との連携が重要性を増す」と強調した。包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)12カ国に欧州連合(EU)27カ国が加盟すれば、BRICS経済圏に迫る「超巨大自由貿易圏が誕生する」との見方も示した。 BRICSの名称は、米ゴールドマン・サックスのエコノミストだったジム・オニール氏が名付け親とされる。同社が22年にまとめた調査では、75年のGDPは中国が首位となり、インド、米国、インドネシア、ナイジェリアが続くと予測していた。 日経センターは生成AIや人的資本による生産性の上昇、移民の影響を予測モデルに織り込んだ。これらの推計手法の違いが結果の差に表れた。 日経新聞 2025年3月27日 16:00 (2025年3月27日 16:21更新) 引用元:…